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ー天災ー3

 前にも、神様は自分たちに試練を与えていると感じていた。そして今、望と共に幸せな時を過ごしているのに、なぜ神様は彼らをこのままにしておかないのか。そしてなぜ神様は彼らに対してこれほどの試練を与えるのか、理解できない。


 そこはもう仕方のないことだと割り切ろう。それは仕事なのだから、仕方のないことではある。だが、雄介にとって今の問題は、この事をどう望に伝えるかだ。


 こんな動揺した気持ちでは、仕事に集中することができない。誰かが話しかけても、雄介は完全に上の空だ。


 何か考えていても、頭に浮かぶのは望の顔だった。望のことを考えてしまっているからなのだろう。


 今日、雄介は何度もため息をつく。今はデスクワークだから、まだいいのかもしれない。しかし、もし現場への出動だとしたら、本当に集中できないでいる。雄介は、さっきの出来事で動揺し悩んでいるのだ。


 現場では、人のプライベートな悩みなど待ってはくれない。雄介がプライベートのことで悩んでいることは、仕事上では本当に関係ない。とりあえず、そのことについては考えたくない。


 朝の出来事を頭から追い払いたい気持ちなのに、なかなかできない。頭を振り乱しても、思い出してしまうのは、朝の出来事と望のことだけだ。


「くそっ!」

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