目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

ー空間ー192

 特に今日は別に早く寝たいからではない。


 望の計画では昨日、雄介に抱かれる予定ではなかったからだ。そう、今日雄介に抱かれる気で来たのだから、お風呂を貸してもらいたかっただけだ。


 今日を逃してしまえば今度いつ雄介に会えるかも分からない。だから仕事でここに来ると決まってからは雄介に抱かれてもいいようにしていた。


 さすがに自分から雄介のことを誘うのは恥ずかしいのだが、たまにはそれもいいのかもしれない。それに昨日は雄介にハプニングがあって雄介のことを動かすことはできなかった。だから余計に今日は望が動いていくしかないだろう。


 望はシャワーを浴びて二十分くらいでお風呂から上がると、いつものように髪を適当に拭いてリビングへと向かう。


 すると、雄介はソファに座ってお笑い番組を見ていた。


 そして望はゆっくりと雄介の隣へと座る。


 そんな望に気付いたのか、雄介は何気なく望の髪に触れるのだ。すると、いつものように乾いていない望の髪に気付いて、


「望ー、またかいな。髪拭いて来ないとアカンやろ?」


 そう言いながら望の首に掛かっているタオルを取り、望の髪の毛を懐かしそうに拭き始める。


 その雄介の行動に望は大人しくしていた。


 雄介は望の髪の毛を拭き終えるとテレビを消す。


「ほな、望は今日疲れておるんやろ? それやったら、もう、部屋行って休もうか?」

「あ、ああ……」


 そう望は返事をすると、雄介はリビングの電気を消して二人で二階の雄介の部屋へと向かうのだ。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?