雄介は望の言葉にクスリとすると、
「やっぱ、俺……望んこと好きになって良かった気がするわぁ。今はむっちゃ幸せやしな」
今まで雄介に視線を合わせようとしていなかった望だが、少しだけ視線を上に向けて微笑んでいた。
「望……今日はどないする?」
雄介のその言葉に望は首を傾げる。
「あー、スマン! スマン! その言葉じゃ、何を言いたいんか分からんよなぁ。前、望に言われたんやったな……ハッキリせぇってさ」
雄介は望の視線に合わせると、何故か真剣な目で望の目を見つめ、
「あんな……もう、我慢出来へんねんって……せやから、俺、望んこと抱きたいんやけど? アカンか?」
確かに前に望は雄介にハッキリ言ってくれとは言ったが、いきなりこうもストレートに言われると焦ってしまっているようだ。
「あ、えーと……」
顔が赤くなってしまった姿を雄介に見せられないように顔を俯けてしまう望。
「あ、いや……別にええねんで、無理にする気はないしな……あ、せやせや! どっか外に行って気分転換でもしよ! その方がええやろ?」
そう言って雄介は望から離れるのだが、
望は離れて行ってしまった雄介のことを見上げ、
「雄介がしたいって言うんなら……俺は別に構わない……」
望は雄介に向かい真剣に言った筈だったのだが、どうやら雄介は違うようにとってしまったらしく、
「ほら、今のは俺だけの意見やし、望がその気やないみたいやから……今日は我慢しとくわぁ……その言い方だと、望は俺の意見に流されとるだけみたいやしな」
望はその雄介の言葉に唇を噛み、再び雄介のことを見上げ、雄介の近くまで行くと、
「雄介! 俺は雄介とは恋人同士だろ? なら、俺は雄介のことが本当に好きなんだ。 だから、今日は俺も本気で雄介に抱いて欲しい。そんなことを思ってるのはお前だけじゃねぇんだよ。俺もお前に抱いて欲しいってこと、毎日のように思ってるんだからよ。それだけ、俺も雄介のことが好きなんだからよ」
これだけ真剣に長い言葉で雄介に望は想いを伝えたことは今までなかったことだ。
そんな望の言葉にどうしたらいいのか、分からないのか、雄介はその場で固まっていた。