その雄介の言葉に望は顔を真っ赤にすると首を横に振る。
「ほんなら、このまんまでええか?」
「ああ、いい……」
望は優しい声でそう答えると雄介の体を抱き締める。
「……雄介の匂いがする」
「俺の匂いってなんやねん」
「雄介の匂いは匂いなんだよ。俺はこの匂い、嫌いじゃないぜ」
雄介はクスリとすると、
「まぁ、望が好きなんならええか」
雄介は望の体を抱き締めると、
「望の匂いもええ匂いやな」
「俺の匂いってなんだよ」
「答えは望と一緒や……多分な」
「なんだよそれ」
「ま、ええか、今は楽しもうや」
だが望は何かを思い出したのか視線を雄介に合わせると、
「お前……また、寝てねぇんじゃなかったのか?」
「あ、ぅん……まぁな……って言ってもそないなこと日常茶飯事やし、平気やって」
「目真っ赤なんだけど。俺の前じゃ誤魔化すことなんか出来ねぇぜ。それでなくても、こういうことするだけで体力使うだろうが……」
「平気やって。女の子がよく言う、別腹と一緒やって、そういうことの体力は別に取ってあるんやから」
「いや、それでも体が不調を訴えているってことは体が休ませろって言ってるんだからよ。それに、俺はお前に倒れられたら困るしさ」
最初は真面目に言っていた望だったのだが、段々と自分が恥ずかしいことを言っていることに気付いたのか、最後の方は小さな声で雄介から視線を外し頬を掻いてしまったのだから。
「……望がそう言うんやったら仕方ないか」
雄介は諦めたようなため息を吐くと望の隣りに横になるのだ。
そして天井を見上げる。
「望がそないに俺の体のこと心配してくれるのは嬉しいことやしな。 せや、医者の前では誤魔化しがきかんってことやんな」
「そういうことだ」
望はそう言いながら雄介の隣りへと横になると雄介のことを見上げる。
「あのさ……雄介……やっぱり、医者か看護師になる気ねぇ?」
唐突な望からの質問に望は目を丸くしていた。
「それは前に話したやろ?」