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ー天使ー57

「せやなぁ。確かに和也達もおった方がいいかもしれへんな。俺達だけやと話が進まへんやろうし」

「まぁ、それはいいけどさ、真面目な話、雄介はどうしたいんだ?」

「もう、決めたことや。ホンマに俺は医者になろうと思う。せやから、望……」


 雄介は真剣な目で望のことを見上げ、


「これから、ホンマに俺に協力してくれへんか?」

「雄介が本気なら……協力してやってもいいって前に言っただろ? だから、協力はしてやる」

「ほんなら、ええわぁ」


 雄介は一息吐くと、


「これで、俺は本格的に勉強せなアカンっちゅう訳やな」

「ああ、まぁな。とりあえず、仕事はどうするんだよ? 大学入試まで五ヶ月しかないからな。雄介が頭に自信があるならば、大学入試ギリギリまで仕事しながらでもいいし、それが無理そうなら、雄介には悪いけど、仕事は辞めた方がいいかもな。勉強に集中した方がいいしよ」

「それなら、さっき望が言うてたやんかぁ。テストしてみたらええんと違ゃうか?」

「そだな。流石に今からって訳にはいかないけど、まぁ、明後日の夜辺りかな?」

「分かった。それでええわぁ」


 雄介と望の話が一段落したところで、和也は一息吐くと、


「よし! じゃあ、俺達は寝ようかなぁ?」

「そだな……流石に俺達も帰らないとだしよ。気付いたら、もう、十二時だもんな。それに、和也の家じゃ、五人も寝れねぇだろ?」

「流石になぁ、無理だな。寧ろ今座っている状態でいっぱいいっぱいなんだからよー」

「だよな……せいぜい、大人三人が限界だよな」

「よっしゃ! ほんなら、俺達は帰ろうや。とりあえず、和也……琉斗のことよろしくな」

「おう! 明日は幼稚園に送っておけばいいだろ?」

「ああ」


 雄介は和也にそう言うと、とりあえず琉斗が寝ている和也のベッドへと向かった。


 そして、気持ち良さそうに寝ている琉斗の顔を見て安心したのか、すぐにベッドから離れ、今度は和也に向かい、ふざけたように、


「琉斗には手出すなや」

「アホか! 流石にそんな小さい子に手は出さねぇよ。寧ろ、こっちがセクハラされてるようなもんだけどよ。でっかいだの小さいだのってな」

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