「そうだよ! 早く行こうよ!」
琉斗は雄介を急かすように車から降りた。
それから、雄介が琉斗の手を引き、五人で入園口へと急ぐ。
たくさんの人が並ぶ中、男四人と子ども一人という組み合わせは、周囲からすれば異様な光景だったかもしれない。
男が四人もいれば家族には見えない。かといって兄弟というわけでもない。いったいどういう関係なのか、気になる人もいただろう。
しかも、そのうち二人は少なからずイケメンで、一人は可愛い系の顔立ちをしているのだから、なおさら目を引く。
「しっかし、この遊園地は相変わらず人気があるんやなぁ」
雄介が感心したように呟く。
「ま、他の遊園地に比べたら、やっぱり人気があるんだろうよ。前に他のとこにある遊園地に行ったことがあるんだけどさ、平日はフリーパスで余裕でそれ以上遊べたからラッキーだったけど、ここは流石にそうはいかないか……」
和也が答えると、望も同意するように口を開いた。
「逆に入場券だけ買って、乗りたいもんは後でチケット買う方が損しないかもな」
「そうだな! そうしようぜ。それに、その方が早く中に入れるみたいだし」
和也はそう言うと、フリーパス売り場とは反対側にある入場券専用売り場を指差した。
入場券専用売り場には、和也の言った通り十人程度しか並んでいない。それに対し、フリーパス売り場には和也たちの前に五十人ほど、さらに後ろにも十人程度が並んでいた。
「ホンマやな。ほな、そうしようっか」
雄介が頷き、五人は入場券専用売り場へ移動する。
和也たちは十分もしないうちに園内へ入ることができた。もしフリーパス売り場に並び続けていたら、まだまだ遊園地の中に足を踏み入れることはできなかっただろう。
入園口をくぐると、真っ正面に大きな噴水が見えてきた。
この噴水は夜になるとライトアップされ、夜の来場客も楽しめるようになっている。
さらに、この遊園地の特徴は、「火のステージ」「水のステージ」「風のステージ」「大地のステージ」といったテーマごとにパークが分かれていることだった。