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ー天使ー109

「ほんで、琉斗は寝るって言うたんか?」

「ああ」

「ほんなら、ええんと違ゃう? そしたら、今日、俺達は二人で寝れる訳やしー」

「まぁ、それはいいんだけどさぁ。心配じゃね?」

「多少は心配とは思うねんけどな……まぁ、琉斗の方も、そろそろ一年生になるんやし、一人で寝かせて上げるっていうお年頃でもあるし、早い子やと、そろそろ一人で寝たい年なんと違ゃう?」

「そっか……。なら、そうするかぁ」

「ええよ……」


 雄介は望にオッケーを出すと、望は雄介から離れ琉斗に向かい、


「琉斗……さっき約束したよな? 『一人で寝るんなら、あの部屋使っていい』って……だから、一人で寝るんなら、あの部屋使っていいぞ……」

「うん! 分かった!」

「じゃあ、寝るだけだからな……あそこに置いてある物は触るなよ……それは絶対の約束だからな」

「うん! 分かった! じゃあ、おやすみなさーい……」


 琉斗はそう言うと地下室へと向かう。


 望は溜め息を吐くと雄介の隣りへと腰を下ろすのだ。


「もう、半分まで終わったで……」

「……へ? もう、半分も終わったのか!? 確かに、普通よりかは問題数は少なくしてあるけどよー、どれも難問ばっかりだぞー」

「そうやったんか!?」

「ああ……」

「ま、ええわぁ、とりあえず、今日は琉斗は地下室に行った訳やし、テスト終わったら、たまには望んこと抱いてもええやろ?」

「お、お前ー、何考えてんだよー! 確かに琉斗は地下室に行ったけどさ……もしかしたら、地下室で寝るの怖くて、二階に来るかもしれねぇんだぞー」

「たまにはええやない? そんな風にハラハラドキドキしながらやるのもな」


 語尾にハートマークが付きそうな感じで言う雄介。 しかも雄介は満面な笑顔で望に顔を向けている。


 そんな雄介に望は溜め息を吐くと、


「なら、そのテストで百点取れたら、構わねぇよ……」

「ホンマかぁ!? むっちゃ、やる気出たわぁ! 百点取れたら、今日は望んこと抱かせてくれるな?」

「ああ、それは約束する。 但し、一問でも間違えたら、今日はそれは無しだからなぁ」

「よっしゃ! その条件飲んだ!」


 そう雄介は言うと、今まで止めていたペンを動かしテストの続きを始める。

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