「望、大丈夫か?」
「あ、ああ……ン……大丈夫だから……」
雄介はそう確認すると、安心したような表情を見せ再びゆっくりと腰を動かし続ける。
そんな雄介に気付いた望は、
「ゆ、雄介……お前こそ……大丈夫なのかよ……」
「……へ? ど、どういう意味やねん?」
「ど、どういう意味って……」
まさか、そんなことを素で聞かれると思ってなかった望は雄介から視線を反らすと、
「その……あの……だからさぁ、お前はそんなゆっくりというか……俺に合わせてて大丈夫なのか? って意味……」
「あ、そないなことか……大丈夫やって……。望って、冷たそうに見えて、案外優しいんやな……」
雄介は誉めたつもりだったのだが、そう言われた本人はあまりいい気分ではないだろう。
「い、意外って、なんだよ……」
「あ、スマン、スマン! めっちゃやな。めっちゃ望は優しい……って……」
「今更、言い直しても遅いんだよ。悪かったな……意外でよ……」
「ホンマにスマンってー」
雄介は手を合わせて望に向かい頭を下げる。
そんな雄介の姿に望は一息吐くと、
「いいよ……気にしねぇからさ。確かに、俺はお前や和也に比べたら、優しくはねぇよ。でも、今はお前にだけは優しくなれるようになったのかもな」
「俺にだけってのが嬉しいわぁ」
雄介はそう言うと、優しく望の額にキスを落とす。
そんな優しいキスに望の顔は和らぎ雄介に向かい微笑み返すのだ。
「ホンマ、俺……今はむっちゃ幸せやわぁ。望と出会わなかったら、今、こないに幸せやなかったと思うしな……」
「ぁ……ぅん……俺もだからさ……」
「ありがとうな……望……」
雄介はそう言うと再びゆっくりと腰を動かし始める。
ゆっくりとはいえ、いきなり腰を動かされた望は体をビクリとさせる。
「はぁ! ん!」
「あ、スマン! いきなり、動かしてもうて……」
「もう、俺は初めてじゃ……な、ないんだぞ……そんなに心配しなくても……ぁ……大丈夫だから……止めないで、続けろよ。お前だって、もう、本当は限界なんだろ?」
「あ、まぁ……そうなんやけど……でも、望はまだなんやろ?」
「今の言葉聞いてなかったのかよ……」
雄介は望にそう言われ、今さっき望が言っていたことを思い出す。