「あ、うん……あ、ああ、いいけどさ。イチャイチャはいいけど……お前、腕……」
と望が最後まで言わないうちに雄介は望の後ろから両腕で望の肩を包み込むように抱き締める。
「たまにはええやろ? こういうことも……」
望は小さな声で頷くのだ。
「ぁ……ぅん……いい……」
「ホンマにホンマ……今幸せやわぁ。望には何遍言うても足りへん位やな……ずっと、ずっと……このままで居りたい……」
「分かってるよ。お、俺もお前と……一緒に居たいと思ってるからな」
「それなら良かったわぁ」
「俺もお前とは離れたくないと思ってるしな」
「ホンマ、ありがとうな。もう、お前の気持ちそれで十分やからな……無理せんでええよ」
「無理なんかしてねぇよ。好きなんだからたまには言いたくなる時だってあるんだからよ」
「スマン……せやな……望が言いたい時に言ってもらった方がええしな。前に俺が言ったこと約束守ってくれてるんやし、今のはホンマに俺が悪いわぁ」
「ああ……ぅん……」
どうやら雄介の言葉にどう答えていいか分からないようだ。 言葉に詰まってしまっているのだから。
雄介はそんな望に気付き、
「あ、いやぁ、ゴメンな! 答えにくいこと言うて……」
そう慌てて言う雄介に何故か望は笑いだし、
「ホント、お前には嘘偽りがない奴だよなぁ。そんなとこに俺は惹かれたのかもな。本当に和也とは違うんだよな。和也の場合、アイツは探りに来るからな……だけど、お前はストレートに来るしさ」
「……へ? あ、おう……あー」
そう慌てる雄介に対して望は再び笑うのだ。
「ゴメン! ゴメン! 雄介のお返しー」
「そんなんお返しにせんでええわぁ」
「今のお前の慌てた顔、可愛かったけどな」
「まったく……望もやるようになったなぁ」
「でも、今言ったことは本当のことでもあるけど」
「……ん?」
「だから、素直でストレートに言うお前のことが好きなんだよ」
「ありがとうな……めっちゃ、嬉しいわぁ。やっぱ、俺も望のことが好きやわぁ」