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ー決心ー122

「大丈夫かもしれねぇが……。新城に頭のことは言ってねぇんだろ?」

「まぁ、確かに伝えてへんかったなぁ」

「それなら、明日はやっぱ病院に検査しに行ってくれ」

「それはええねんけど……。行為まで止めてまで言うことやないと思うねんけどなぁ」

「俺がこんなにお前のことを心配して言ってるのに、お前はそう言うかぁ!?」

「そう言うねんけど……むっちゃ、今日はその気でおったのに、冷めるようなことを言われたら、その気を無くすわぁ」


 そう言うと、雄介は溜め息を漏らすのだ。


 望も溜め息を漏らすと、


「いいなら、いいよ……。俺もやる気無くしたしよ」

「望がそう言うなら、今日はもうええわぁ。 分かった。望の言う通りに明日はもう一度、病院に行って頭の検査をしてもらうて、望が安心してからにするし」


 雄介は望の言葉に折れると、笑顔を望に見せる。


 その雄介の笑顔に望も穏やかな笑顔になると、


「ゴメン……。ただたんにお前のことが心配になったから、止めちまったんだよ」

「分かっとるよ。望が俺の体のこと心配しとることがよーく伝わったしな。なら、明日、病院で検査をして、望に俺の体は大丈夫やってことを証明してからでも、望のことを抱くのは遅くはないしな」


 そこまで言われると、今まで望は雄介に対してきつく言っていたことが恥ずかしくなってくる。望は頭を俯けどうしたらいいか分からないでいるようだ。


 そんな望に気付いた雄介は望へと近付き、


「ホンマ、ありがとうな。俺、望にむっちゃ心配されて、嬉しいわぁ。最初は俺だけが、望んこと好き好きー、やったけど、今は俺は望に愛されておるんやって分かったし。今日は大人しく寝ようや……それに、流石にちょっと腕痛いしな」


 雄介は望の体を片手で優しく抱き締める。


「あ、ああ、そうだな……って、やっぱり、腕痛いんじゃねぇか。痛いのに今まで我慢してたのか?」

「ちょっとだけやで……ちょっとだけ……」


 望は医者の性というところであろうか。 望は雄介の怪我をしている腕を取ると、ギプスの上から雄介の腕を眺めている。

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