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俺の青春、多属性すぎて収拾不能!
俺の青春、多属性すぎて収拾不能!
マカロー
現実世界ラブコメ
2025年05月27日
公開日
3.5万字
完結済
平凡で目立たない高校2年生・成瀬悠真(なるせ ゆうま)は、ある日突然、学校内の「恋愛観測部」の部長に任命される。 その理由は、校内に存在する「属性女子」たちの恋愛感情が、校則を破って暴走しないように見張るため!? 部員として集まったのは、一癖も二癖もある女子たち ツンデレ生徒会長:神崎 紅(かんざき くれない) 清楚系だが腹黒な文学少女:白石 涼(しらいし りょう) 甘えん坊な妹系幼なじみ:天音 ことり(あまね ことり) 無口で不思議ちゃんの天才少女:黒羽 澪(くろば みお) 陽キャでノリノリなギャル:金森 ルナ(かなもり るな) 彼女たちはなぜか、少しずつ悠真に惹かれていくが—— 恋愛観測部の真の目的とは何なのか?そして、悠真に隠された“ある秘密”とは? 「好きになるなって言われても、もう遅いんだからな!」 多属性ヒロイン×鈍感男子の、ハイスピード学園ラブコメ開幕!

プロローグ「恋愛観測部、始動」と登場人物紹介

春の光が差し込む教室。カーテンの揺れる音が心地よく、成瀬悠真なるせゆうまはぼんやりと窓の外を眺めていた。

 桜はすでに半分ほど散り、校庭の風景はどこか夢の残り香のような色をしている。


 始業式を終え、新クラスの教室に戻ってきたものの、誰と話すでもなく席に座っている悠真。もともと目立つタイプではないし、積極的に友達を作る性格でもない。


 そんなときだった。


 ——カツ、カツ、と規則正しい足音が廊下から響いてくる。

 やがて教室の扉が静かに開き、一人の少女が姿を現した。


「成瀬悠真」


 教室の空気が一瞬で凍る。

 整った顔立ちに長い黒髪、そして制服の上からでも分かるほどに整った姿勢と気品。その少女は、生徒会長・神崎紅かんざきくれないだった。


「……へ?」


 自分が呼ばれたと気づくまでに数秒かかった。なにせ生徒会長に話しかけられるなんて、人生で一度あるかないかのイベントだ。


 紅は悠真の机の前に立ち、真っすぐに彼の目を見て言った。


「あなた、今日から『恋愛観測部』の部長よ」


「…………は?」


 一瞬、意味が理解できなかった。


「え、いやいやいや。何それ、聞いたことないんだけど。てか、俺、そんな部活入った覚えないし」


「あなたに選択肢はないわ。これは生徒会の正式な裁定。全会一致で決まったことよ」


「全会一致って、誰が決めたんだよ!?」


 思わず声を上げる悠真に、紅は冷静に、そして美しく微笑んだ。


「私よ」


「独裁じゃねーか!」


 教室がざわめく。新学期早々、注目の的だ。視線が刺さるのを感じながら、悠真は頭を抱えた。


「ちょっと待って。そもそも『恋愛観測部』って何……?」


「恋愛という感情が、人間の行動や関係性にどのような変化をもたらすのかを観測し、記録し、分析する部活よ」


「重すぎるだろ!もっと軽いノリでいこうよ青春は!」


 紅はカバンから一枚の紙を取り出して、悠真の机に置いた。


「すでに五人の部員が申請済みよ。彼女たちの恋愛観測対象として、あなたには相応の資質があると判断したわ」


「え、俺って……観測する側じゃなくてされる側なの!?」


「両方よ。恋愛は一方通行では成立しないから」


 にっこりと微笑むその表情は、どこか楽しげですらあった。


 ——こうして、成瀬悠真の予測不能な学園生活が始まった。


 恋愛観測部に集まったのは、それぞれ異なる魅力と秘密を抱えた五人の少女たち。

 無表情な天才型、ツンデレの生徒会長、愛嬌抜群のギャル、世話焼き幼なじみ、そして不思議系の後輩。


 彼女たちと関わる中で、悠真は“恋”という不可解な感情と、自分自身の心に向き合っていくことになる——


【主人公】

成瀬 悠真なるせ ゆうま

学年:高校2年生

属性:鈍感・常識人・平凡系主人公

口癖:「俺、普通に生きてたいんだけど…」


クラスでも特に目立たない、“モブ寄り”の男子高校生。

運動も勉強も中の下、目立つような趣味もなし。

しかし「女の子の恋愛感情を無意識に引き寄せる」という不思議な体質を持っており、それが原因で学園生活が一変する。

彼自身は恋に奥手で、他人の好意にも全然気づかない。

ただし、「本音を聞き出す力」には妙に長けており、ヒロインたちの心を自然にほどいていく。


【ヒロイン①】

神崎 かんざき くれない

属性:ツンデレ生徒会長

→ 成績優秀・品行方正・鉄壁の完璧人間だが、実は異常なまでに恋愛経験ゼロ。

→ 恋愛を「くだらない」と切り捨てていたのに、悠真の鈍感っぷりに振り回され、ペースを乱されていく。

→ 弱点は可愛いものと妄想癖。家ではめちゃくちゃ乙女。


「勘違いしないでよね!?別にアンタのためじゃ…ないんだからっ!」


【ヒロイン②】

白石 しらいし りょう

属性:清楚系・腹黒文学少女

→ 一見すると落ち着いた優等生。図書室の常連で、悠真にも優しく接するが、裏では何を考えているのかわからない。

→ 悠真に興味を持ち、彼の“隠された体質”に気づき始める最初の人物。

→ 文学的かつ毒舌な愛情表現がクセになる。


「ねえ、先輩。私のことを“普通の女の子”だと思ってたなら…それ、間違いですよ?」


【ヒロイン③】

天音 ことり《あまね ことり》

属性:妹系(ロリ)・幼なじみ

→ 幼稚園からずっと一緒の幼なじみ。常に明るく距離感ゼロ。

→ 悠真の家にもよく遊びに来るため、「お兄ちゃん的ポジション」に収まっていたが…恋心が暴走気味に成長中。

→ 実は悠真にずっと片想い中。だが、他のヒロインたちの出現により、ついに行動に出る。


「…もう、“お兄ちゃん”じゃ足りないんだよ、悠真くん。」


【ヒロイン④】

黒羽 くろば みお

属性:無口・不思議ちゃん・天才肌

→ 理系分野で世界的賞を受賞している天才。感情表現が乏しく、なぜか悠真によく懐く。

→ 会話が噛み合わないことも多いが、純粋ゆえにストレートな好意を向けてくる。

→ なぜか悠真を「研究対象」としているが…?


「悠真。きみを解析してみたい。…わたしの、特別な分野で。」


【ヒロイン⑤】

金森 ルナ《かなもり るな》

属性:陽キャ・ギャル・姉御肌

→ ノリが良く、誰とでもすぐに打ち解けるタイプ。実は誰よりも“他人思い”な優しい性格。

→ 悠真の「気取らなさ」に安心感を抱き、次第に気になる存在に。

→ 過去のトラウマがあり、恋に慎重。でもいざというときは大胆。


「…あたし、マジ恋とかしないつもりだったんだけどさ。悠真には、嘘つけなかったわ。」



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