遥かな昔、この世界は人類のものだった。陸は勿論のこと、空も海も我々人類のものだった。
しかしそれらは奪われた。空はドラゴンに、海は異形の者によって奪われた。我々はその数を減らし、この世界の主役ではなくなった。
異形の者、彼らは大いなる海からやって来る。毎度姿を変えてやって来る。
長い長い悠久のときの中で、大地は一つになった。海も一つになった。そんな大海原のど真ん中、幻の孤島が存在する。そこには生態系が崩れたことを憂う神の用意した、種族の木が生えている。種族の木は新たな命の精錬を繰り返し、おぞましい異形の者を生み出し続ける。異形の者は何かに命じられているかのように、我々人類の生息する大地”ユーリシア大陸”へと押し寄せる。絶対に彼らを陸に上げてはならない。
ドラゴン、彼らは空からやって来る。彼らの内の一部だけが知能を持ち、人語を話せる。ドラゴンが支配する空域”レムレース空域”には、ドラゴンたちを束ねる強大な闇のドラゴンが存在する。
闇のドラゴンはドラゴン以外の種族を消し去ろうと画策した。しかしそれに反対したのが、四体の偉大なドラゴンだ。
光のドラゴン”レフレオ”
炎のドラゴン”エタンセル”
水のドラゴン”アルウェウス”
風のドラゴン”ブリューム”
彼ら四体の偉大なドラゴンは、闇のドラゴンの考え方に反対し、それぞれ地上に降り立った。そして彼らは地上の人間たちを守護するため、空のドラゴンたちが地上にやってこられないよう、共同で結界を張った。地上と空をわけたのだ。
我々人類は四体の守護竜に守られながら、非常に長い年月をかけて四つの国をつくり、それぞれの守護竜の名前をその国名とした。
いま世界の生態系は、もっとも歪んだ状態にあるといっていい。種族の木の暴走が止まらず、異形の者は海に生み出され続け、闇のドラゴンは他の種族を消し去ろうと画策している。
これは神からの試練なのだ。再び人類がこの世界の主役となるのか、それともドラゴンに全て奪われるのか、あるいは異形の者たちに蹂躙されるのか。
この試練に挑むのは、選ばれし光の後継者。
光の後継者は人類の危機、人類史の転換期に現れる。光の後継者とは、すなわち光そのものなのだ。世界が混沌としているとき、世界が闇に飲み込まれるとき、光は現れる。