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ドラゴン戦役
ドラゴン戦役
DANDY
異世界ファンタジー戦記
2025年05月27日
公開日
2.9万字
連載中
約二〇〇〇年前、人類は滅びの道を選んだ。人類は核兵器と呼ばれる恐ろしい兵器を用い、自滅した。そして放射能により、恐ろしく巨大な化け物を生み出した。鳥たちの一部が変異を遂げたのだ。さらなる太古に存在していたとされる恐竜が、その姿を鳥へと変えて生き延びたように、今度は恐竜よりもっと恐ろしい怪物、ドラゴンへと姿を変えた。その結果人類は、その数をおよそ全盛期の一〇〇分の一以下にまで減らしてしまったのだ。 人類はドラゴンによって空を支配された。制空権を失った。 人類は異形の者によって海を支配された。制海権を失った。 ドラゴンが支配する空域”レムレース空域”には、ドラゴン達を束ねる強大な闇のドラゴンが存在する。 闇のドラゴンはドラゴン以外の種族を消し去ろうとした。しかしそれに反対したのが、四体の偉大なドラゴンだ。 光のドラゴン”レフレオ” 炎のドラゴン”エタンセル” 水のドラゴン”アルウェウス” 風のドラゴン”ブリューム” 彼ら四体の偉大なドラゴンは、闇のドラゴンの考え方に反対し、それぞれ地上に降り立った。そして彼らは地上の人間達を守護するため、空のドラゴンたちが地上にやってこないように、共同で結界を張った。地上と空をわけたのだ。 人類は四体の守護竜に守られながら、非常に長い時間をかけて四つの国を作り、それぞれの守護竜の名前をその国名とした。 そんな中、神話に登場する光の後継者の名を継いだ男、ハンス・ロータスは、守護竜の血を引く相棒、四足竜レフレオと共に、空と海の主導権を取り戻すための戦いに身を投じていく。 これは神話の名を継いだハンスと、守護竜の血を引くレフレオの、人類の存亡を懸けた冒険譚!

第1話プロローグ 神話

 遥かな昔、この世界は人類のものだった。陸は勿論のこと、空も海も我々人類のものだった。

 しかしそれらは奪われた。空はドラゴンに、海は異形の者によって奪われた。我々はその数を減らし、この世界の主役ではなくなった。


 異形の者、彼らは大いなる海からやって来る。毎度姿を変えてやって来る。

 長い長い悠久のときの中で、大地は一つになった。海も一つになった。そんな大海原のど真ん中、幻の孤島が存在する。そこには生態系が崩れたことを憂う神の用意した、種族の木が生えている。種族の木は新たな命の精錬を繰り返し、おぞましい異形の者を生み出し続ける。異形の者は何かに命じられているかのように、我々人類の生息する大地”ユーリシア大陸”へと押し寄せる。絶対に彼らを陸に上げてはならない。


 ドラゴン、彼らは空からやって来る。彼らの内の一部だけが知能を持ち、人語を話せる。ドラゴンが支配する空域”レムレース空域”には、ドラゴンたちを束ねる強大な闇のドラゴンが存在する。

 闇のドラゴンはドラゴン以外の種族を消し去ろうと画策した。しかしそれに反対したのが、四体の偉大なドラゴンだ。


光のドラゴン”レフレオ”

炎のドラゴン”エタンセル”

水のドラゴン”アルウェウス”

風のドラゴン”ブリューム”


 彼ら四体の偉大なドラゴンは、闇のドラゴンの考え方に反対し、それぞれ地上に降り立った。そして彼らは地上の人間たちを守護するため、空のドラゴンたちが地上にやってこられないよう、共同で結界を張った。地上と空をわけたのだ。

 我々人類は四体の守護竜に守られながら、非常に長い年月をかけて四つの国をつくり、それぞれの守護竜の名前をその国名とした。


 いま世界の生態系は、もっとも歪んだ状態にあるといっていい。種族の木の暴走が止まらず、異形の者は海に生み出され続け、闇のドラゴンは他の種族を消し去ろうと画策している。

 これは神からの試練なのだ。再び人類がこの世界の主役となるのか、それともドラゴンに全て奪われるのか、あるいは異形の者たちに蹂躙されるのか。

 この試練に挑むのは、選ばれし光の後継者。

 光の後継者は人類の危機、人類史の転換期に現れる。光の後継者とは、すなわち光そのものなのだ。世界が混沌としているとき、世界が闇に飲み込まれるとき、光は現れる。

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