2025.05.17
今あるプロットは、3章まで。莉子と美波、そして、小春を巻き込んだストーリーは書きながら考えようと思っていたのですが、プロットはメインストーリーのみにとどめさせていただきました。ちなみに、以下がヒロインの方針です。
・綾音……女子野球で結果を残しながら、悠人の成長を見守り、お互いの理論をもって高めあっていく。
・小春……純粋にお兄ちゃん好き
・莉子……野球嫌い。悠人のことが好き。雰囲気が戻った悠人の頑張る姿を見て次第に野球に対する考え方が変わっていく。
・美波……悠人の雰囲気が変わったことに戸惑う。次第に、悠人への気持ちが、兄に対する幻影(家族としての愛情的)を重ねていたことに気づき、いつしか、愛情(恋的)なものに変わっていく。その中で、悠人から真実が告げられる。
【第2章】
帝都実業との練習試合での劇的な勝利の余韻に浸る青葉学院野球部。来栖悠人への注目度はますます高まった。
新学期が始まり、悠人と上杉美波は2年生に進級。高木先輩は3年生となり、最後の夏にかける想いは一層強くなる。
姉・綾音と妹・小春は、悠人の野球への打ち込みぶりや、以前とは明らかに違う言動に、日に日に違和感を募らせる。「本当に悠人なの……?」と、直接的ではないものの、探るような言葉を投げかけるようになる。
悠人(奏多)は、家族の疑念を感じ取り悩む。正体を明かすべきか、このまま悠人として生きるべきか……。
ある朝、来栖悠人(本物)が目を覚ますと強烈な違和感を覚える。
青葉学院の地区予選決勝をテレビで見ようとしていたはずなのに、部屋のカレンダーを見ると、日付が数ヶ月も進んでいることに激しく混乱する。
鏡を見ると、自分の顔ではあるが、以前よりも少し逞しくなったような、しかしどこかやつれたような自分自身が映っており、さらに混乱する。
綾音と小春は、悠人が「元の悠人に戻った」と直感し、喜びと安堵の涙を流すが、悠人自身は何が起きているのか全く理解できない。
戻ってきた悠人は、学校での周囲の自分への関わり方(野球部のエース扱い、クラスメイトからの注目など)に激しく戸惑い、早退してしまう。
その日の夕方、悠人の家に美波が訪ねてくる(様子がおかしかったことを心配して)。
悠人は、混乱しながらも、美波に「長い夢を見ていたようだ」と、断片的な夢の内容(自分がすごいピッチャーになっていたこと、美波らしき少女がいたことなど)を話す。
その内容が、美波がここ数ヶ月見てきた「来栖悠人(奏多)」の姿と奇妙に一致することに、気づく。
その夜、悠人は自室で、自分がなぜあのような夢(あるいは現実だったのか?)を見ていたのかを考える。「もし生まれ変わったら、甲子園のマウンドに立ってみたい、出来るものなら、僕の野球理論が成しえる体になったら甲子園へ行けるか試してみたい……」という、かつて抱いた強い好奇心と願望を思い出す(夏の甲子園地区予選決勝前に強く願った)。
そこへ、幼馴染の橘莉子が訪ねてくる(悠人が学校を早退したと聞いて心配して)。
莉子は、以前のオタクで運動が苦手だった悠人に戻った彼を見て(雰囲気で分かる)、どこか安心したように言う。「あんたはさ、無理してヒーローになんなくてもいいんだよ。そのままのアンタが、一番アンタらしいじゃん」。莉子の言葉は、悠人の心に複雑な感情を呼び起こす。
【第3章】
悠人は、自分が意識を失っていた間に書かれた「究極の野球理論ノート」に書き足された、理論の結果や評価、提案。そして、部屋に残された練習の痕跡(使い古されたグローブ、泥だらけのユニフォームなど)を見る。
そして、ノートの端々に、上杉奏多が生前、クラスや事あるごとに口にしていた独特のキャッチフレーズが、無意識の書き込みとして多数発見される。
悠人は、これまでの状況と夢の内容を冷静に分析し、「上杉奏多君の魂が、僕の体に入っていたのかもしれない……」という結論に至る。その事実に、恐怖と、そして何か特別な使命感のようなものを感じ始める。
その夜、悠人が眠りにつくと、朝、再び上杉奏多の意識が体の主導権を握って目覚める。
悠人(奏多)は、「僕の理論を、成しえる体が合ったら甲子園に行けるのかなという強い好奇心」という記述が残る
悠人の体で目覚めた奏多の表情や雰囲気が、また以前の「エース」のそれに戻っていることに、綾音と小春はすぐに気づき、今度こそ彼を問い詰める。
悠人(奏多)は、これまでの経緯(事故、入れ替わり、悠人のノートとの出会い、野球部での出来事)を、正直に二人に打ち明ける。「俺の……俺自身の野球への未練と、甲子園への想いが、図らずも悠人の自我を奪ってしまっていたのかもしれない……」と、深い後悔と共に悟る。
小春(ブラコン)は、「お兄ちゃんを返して!」と泣き叫ぶ。しかし、綾音(ブラコン、理論で尊敬)は、驚きながらも、奏多の言葉と、これまでの「悠人」の常人離れした成長ぶりを冷静に受け止め、彼の言い分に一定の理解を示す。
しかし、複雑な胸中から「……悠人の体が元に戻るまで、あるいは……あなたの気が済むまででいい(要検討)。でも、いつか必ず、悠人の体から出て行ってほしい」と告げる。
悠人(奏多)は、綾音の言葉を重く受け止め、来栖悠人が強く願っていた「甲子園出場」を、この体で成し遂げることを改めて強く決意する。それが、悠人への、そして彼を心配する家族への、自分なりの償いだと考える。
悠人(奏多)は、「僕の理論を、成しえる体が合ったら甲子園に行けるのかなという強い好奇心」という記述が常に頭に胸に駆け巡る。
そこに、悠人(奏多)は、これまでの感謝と、悠人(本人)の理論の素晴らしさ、そして「君の夢は、俺が必ず叶える。そして、その後は……」というメッセージを、長文で書き綴る。
夏の大会を前に、悠人(奏多)は、綾音に「やっぱり、甲子園のマウンドには、本当の来栖悠人が立つべきだ。俺は、もう十分だ。後は、あいつに託す」と告げ、成仏する(あるいは、眠りにつく悠人の意識に全てを託し、静かに消えていく)。
綾音は、弟の体に起きた信じられない出来事と、上杉奏多という少年の魂の気高さに涙する。
そして、彩音は、悠人(本物)の頭と体(強靭になった肉体)のちぐはぐさから、まともに野球ができないだろうと考え、野球部監督に「弟は、しばらく特別な精神修行と、体に野球を改めて馴染ませるための集中強化合宿をするので、暫く部活を休ませてください」と伝え、悠人自身が編み出した野球理論を、今の鍛え上げられた体に完全に馴染ませるための、綾音独自の特別訓練を実施する。
数週間後、夏の大会直前に野球部に戻ってきた悠人は、見違えるように成長していた。その瞳には確かな自信と、奏多の魂の欠片が宿っているかのようだった。
悠人(本物)は、
※ここで、高木先輩は悠人をエースと認めるが、新たに入った1年生が反発し戦いを挑む。投手と打撃手を交互にやって、チームメンバーが評価する(もしくは紅白試合)。高木先輩が、勉強の為に、悠人のキャッチャーを名乗り出る。
青葉学院は、来栖悠人をエースとして夏の大会に臨む。彼は、奏多の想いと、自身の理論を胸に、一戦一戦を魂を込めて投げ抜く。
順調に勝ち上がり、ついに迎えた地区予選決勝。相手は、またしても因縁の帝都実業。
悠人は、「先発させてください」と監督に直訴。彼は、上杉奏多の気持ちと自身の夢を乗せて、マウンドに立つ。
試合は0行進の投手戦となるが、終盤に青葉学院が虎の子の1点を奪い、そのまま悠人が完封勝利を飾り、1-0で甲子園への切符を手に入れる。