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6:石並村の朱美からのメール

姉さんへ。

眠いけど、目が覚めたのでメールを書いてる。さっき変な事があって。

草むしりで疲れて良く寝てたんだけど、なんか音がうるさくて起こされた。別の部屋からっていうか、家中のあちこちで音がしているのよ。それがさ、まるで茶碗を叩いているような音なの。

目が覚める前に、お祖母ちゃんが箸で茶碗を叩いている夢を見てたのよ。カチカチキンキン耳障りな音で。だからその音で目が覚めたと思ったら、隣の部屋や廊下やあちこちでその音がするのよ。ずっと同じ場所じゃなくて、茶碗と箸を持った誰かが家中を移動しながら、甲高い音をさせてるみたいでさ。お祖母ちゃんの幽霊かもと思って、しばらくじっとしてたけど段々むかついて、全部の部屋の電気をつけてやった。そしたらさすがに音は止んだけど、やっぱり怖くて、パソコンで音楽を鳴らしながらメールを書いてる。まあこうやって細かく書いておけば、どこかの怪談サイトに投稿してネタになるかもね。


姉さんにメールを書いてたらちょっと落ち着いたかな。お腹が空いてきたから、夜中だけど、これからカップラーメンを食べてから寝るようにする。

やっぱり早く庭の祠をもっときれいにして、神様を祀ってお祈りするするよ。私がツタを剥がす時になんか壊したのかもしれないし。

こんなメールがいったら、また姉さん心配するかな。大丈夫だからね!お化けなんかに負けないよ。

遊びに来るのを嫌がったりしないでね。

<朱美>

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