姉さん、また妙な事があって。
夜中に畳の下っていうか床下から話し声が聞こえてきたんだよ。一人じゃなくて何人もいるみたいだった。笑ったり。何を言ってるのか、畳に耳を当ててもわからなかったけど楽しそうな感じで、もう絶対に私の事を馬鹿にしてるんだと思った。誰かが家の下に潜り込んで、私の布団の真下でお喋りしてるんだよ。腹立つし、いつまでもお喋りをやめないから、畳をどんどん足で踏み鳴らして、うるさいうるさい!って大声で怒鳴ったら、かなり下品に笑ってそれからは静かになった。
また同じ事があったら、草刈鎌を持って床下に突撃してやるよ、全く。
お祖母ちゃんの幽霊は怖いけど、腹は立たないのになあ。
同じ事と言えば、朝晩必ず家の前を通る自転車の郵便配達員。あれも変でさ、この間大雨の日の夜10時にまさか通らないだろうと思って、玄関の隙間から見張ってたら、きちんと通ったんだよ。大雨だよ?しかも合羽も何も無しでいつもと同じ服装。それでいつもみたいにかなりのスピードでチリンチリンと呼び鈴鳴らして、平気そうだったよ。
絶対に変だよね。よっぽど次の日の10時、やっぱり大雨の中を家の前に来たから呼び止めてやろうかと思ったけど、まっすぐ前を見ているから、気味が悪くてやめといた。恨まれたりしたら怖いし。
やだなあ、本当に。まさか博が誰かに頼んで嫌がらせしてるのかなー。やだやだ。考えないでおこう。
はあ、でも姉さんにメールを書いてたら気分が落ち着いて来た。いつも感謝。これから炊き立てご飯を食べて元気を出すよ。
<朱美>