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第4話 ※性的表現あり

「それにしたって……」


 そう独り言を漏らし、我に帰ると、


「あー! トイレ! トイレ!」


 と叫びながら俺はトイレへと向かうのだ。


 ま、今日はきっとお酒を飲んでいたのだからトイレが近かったのかもしれない。しかしあの憧れだった聖修が隣りに居るのだから、いつでも会えると思ったからなのか、そういう意味でも俺は部屋の中へと入るのだ。


 俺の寝室にはその聖修のポスターが天井一面に貼ってある。そう! 毎年あるライブとかには絶対に行って、そこではその聖修がいるアイドルグループのグッズが売っているのだから色々と聖修グッズを買い込んでいるという事だ。その中で重要なのはポスターでもある。しかもポスターは毎回違う聖修のだから買ってしまい、一枚は取っておく用ともう一枚は壁から天井からと何枚も貼っておいている用だ。


 アイドルの聖修、ライブでの聖修からプライベートでの聖修っていうのか私服での聖修と本当に毎回色々とパターンが違うポスターが出ている。


 それを見ながらとか聖修が出てくるDVDを見ながらとか、ただ単に俺は聖修に思いを馳せながら、妄想を膨らませていた普段の俺だったのだけど、今は隣に聖修が隣に引っ越して来た。これがファンの俺からしてみたら、どんなに嬉しい事かっ! あの時、聖修に会った途端、心の中では今までにはないようなガッツポーズをしていただろう。


 確かに隣りに聖修を引っ越してきた事を声を大にして誰かに話したくもなる事なのだけど、これは絶対に話してはいけないことだと俺は思っている。マンション中にとかSNSとかにね……。どんだけファンの子が羨ましがるだろうか……とは思うのだけど、聖修には既に念を押されてしまっている。いや寧ろ、聖修の言う通り俺が人に話せば憧れの聖修は何処かに引っ越してしまうだろう。せっかくお隣さんになったのだから、そんな事はしたくはない。


 そう決め込んで俺は床に寝転んで天井を見上げる。


 するとそこにはやっぱり聖修の姿があった。いや正確にはポスターの中の聖修だ。ポスターの中なのだから現実の聖修とは違う。


 何でも生がいいと言うけど、ポスターの中の聖修より生の聖修の方が何倍も良かった。俺はライブで聖修の事を見てきたけど、それはアイドルでの聖修であってプライベートでの聖修は初めてだ。それでもアイドルの時と変わらないオーラみたいなのはあった。


 銀髪に眼鏡……世の女性を虜にする顔立ち……。


 本当に俺からしてみたら憧れの聖修が隣りに引っ越してきた!


 その事を考えているだけで俺のムスコさんは黙っていないようだ。


「あ……って、そうだよなぁ、そうくるよなぁ」


 そう溜め息を吐くと天井に貼ってある聖修のポスターを見ながら、今は一人寂しく自分のモノをズボンから出し扱く。


「はぁー……ん……ついでに……ここも……って、ココは四つん這いにならないとダメか……」


 四つん這いになると聖修のポスター見えなくなっちまうんだよなぁ。と思いながらも俺は仕方なしに四つん這いになって自分の中に指を入れていくのだ。


 そう俺はタチではない。ネコだからだ。


 いつの間にか蕾に指を入れて自分のモノを扱くということでイける体になってしまっていた。きっと俺の場合にはそれが気持ちいいって事を知ってしまったからであろう。


 今日、こういう事をするつもりはなかったのだけど、俺のムスコが黙っていないのだから黙らせる手段というのは、もうそれしかない。そう明日も仕事だから、こういうことはやるつもりではなかったのだけど、聖修に会ってしまったせいで勃ってしまったのだから仕方がないという事だ。 男というのは、そういう事っていうのは我慢出来ないのだから仕方がない。


 いつものように蕾に指を入れた後は玩具を入れる。


「ん……」


 流石にやり慣れていても入れる時は未だにキツい。


 ……中に入ってしまえば後は快感に身をまかせるだけなのだけど。


 その玩具を後ろの蕾に入れ終えるとスイッチを入れる。


 部屋内にはその玩具の振動音が鳴り響き俺自身もその音だけで、もう気持ち良くなれることはよく分かってることだ。


 最近の玩具は本当によく出来ていて、いい所を的確に当ててきてくれるのだ。


「ぁあああ! ん……ぁあ!」


 と声を俺は上げてしまっていた。もうそこは仕方がないだろう。俺の場合には中に玩具を入れないとイけない体になってしまったのだから。


 しかし今はお隣さんがいる。前までは隣の部屋には誰もいなかったのだから、こういうことは気兼ねなく出来たのだけど隣りに人がいるとうことになると簡単に声を上げることは出来なくなるのかもしれない。


 だけど出てしまう声というのは仕方がないのか……? いや、声を抑えればいいだけの事なんだけど……俺の場合には声を出してしまう方だ。


 そうジェットコースターに乗る時だって声を出した方が楽しいだろ? それと一緒で、俺はこういう事をする時というのは声を出す方だ。


 この壁一枚の向こう側には俺の憧れている聖修がいる。それを考えただけでも今日の自分は手を止めることが出来なかった。 ポスターの中にいる聖修ではない。ライブで見た聖修の姿でもない。完全にプライベートでの聖修に会ってしまったのだから完全に俺の気持ちは昂ってしまったのであろう。精神的にもだけど体力的にも? 精神的にもというのは分かるのだけど、体力的にもというのは俺のモノの話だ。

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