第2話「死ぬ前に読んだ小説」
妖刀物語00
第二話 「死ぬ前に読んだ小説」
妖刀使いが娘の親になった。今後は俺の代わりに面倒を見るという。冗談だろ?
俺の娘は正確には俺の娘ではない。名前もそのへんの樹から取ってつけたようなものだ。特別学校に、地域の子供会にお世話になっていて、俺は時々その様子を見に行くことしかできない。社会の歪によって、望まれないで生まれた子供に本当の親はいない。そんな彼女に、親代わりができた。名を桜木坂という、刀だ。
妖刀使いの歴史と、ひとりの女の子がその刀を手にするまでを語る第二話。