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第11話 クク視点

 私の育ちはキラキラ領。

 領主と親戚という事もあり、お金に困っても多少良くしてもらえた。

 仕事は冒険者で、魔物退治に剣を振るい経験を重ねていた。

 その頃、ある男に声をかけられた。

 その人は、クッション領の領主だった。

 クッション領といえば、この国で1番貧乏な領。土地も乾いて、民は今にも飢え死にそう。返事を渋ったが、その人は言った。


「クッション領の経済は、君が管理してくれ。使用人や管理者の給料も自分で決められる。どうだ?やらないか?」


 度々お金に苦しんでいた私は、OKした。

 しかし、経済管理とだけ聞いていたのに、いざ足を踏み入れると、これから産まれる赤子の専属執事をしろと言うのだ。

 流石に怒ったが、どう育てても構わないとの事だった。赤子が産まれると、領主とその妻と思わしき人物は領を去った。

 旅に出るという。足腰が痛くなったら戻ってくるんだとか。

 私は、赤子を育てる知識なんてからっきしだったので、キラキラ領から人を2人程集め、働かせた。

 お金の管理をしているのは私なのだ。どれだけ雇っても、どれだけ私がお金を独り占めしても、私にとっては痛くも痒くもない。

 領のお金が無くなれば、借金をすればいいのだ。雇った女は、このクッション領はキラキラ領とトロピカル領に昔恩を売っていたという。

 これはいくらでも贅沢し放題だ。


 何年か経って、お坊ちゃんと呼んでいた赤子は、旦那様になった。トロピカル領の令嬢を嫁に迎えたのだ。その令嬢も変わったものだ。どんなに領が貧しくても、旦那様の傍にいたいだとか。

 そして、子供が産まれた。薄緑髪に薄ピンクの目。変わった容姿だったが、旦那様は赤髪に青目、令嬢は紫髪に黄色の目と、2人も変わった容姿をしていたので納得出来た。いや、貴族の容姿は派手とも聞くか。

 その子供は最初は普通だった。何度か顔を見たが、アホそうな面をしている。


 しかし、5年の時が経ち、その子供は変わった。やせ細った土地を蘇らせ、聖女と呼ばれ、王宮へ行き聖域化させる。

 これはまだ良かった。

 しかし、旦那様の目が変わったのだ。

 今まで、領の事はそっちのけで、令嬢とイチャラブしていたが、段々と、領への希望を抱く目をしていった。

 私はそれが気に食わなかった。領の事なんて、放ったらかしにしておけば良いものを。自分達だけ得をすれば良いじゃないか。

 だから私は旦那様を斬った。しかし、子供は才能が強く、大魔導師でも出来ないとされている、命を吹き返させたのだ。しかも真っ二つになった状態から。


 しかし、私には策があった。子供は旦那様を蘇らせる時に必死だったので、いつか昔、商人から買った、従いの魔法の汁というものを、旦那様の血に混ぜた。


 そこから、私は状況を理解しないまま、子供の相手をしていた。が、子供が寝た時に気が付いた。

 旦那様はすでに起きていて、子供に火魔法を放っていたが効かなかった。それどころか、血に混ぜた汁が無くなっていた。

 あと、令嬢に抱きしめられていたから旦那様は剣も使えなかった。

 令嬢が邪魔だなと思い、令嬢に斬りかかろうとした時、旦那様は私めに向かって、従いに応じ子供に放った火魔法なんかよりも、もっと大きく、そして熱い魔法を私に放った。


 死ぬかと思った。いや、気絶はした。そこからの意識は無いが、とにかく今は王宮の牢へ居る。死刑らしい。

 どうにかして脱獄しよう。

 素直に罪は認めない。私は幼い頃からそうだったのだから。

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