僕の名前はさくら
僕っ娘でガサツな高校生
一か月前まで、僕は6人の女子から同時に告白されるという、信じられないモテ期を経験した
美月さんの純粋な恋心
愛美の積極的なアプローチ
雅子先輩の情熱的な愛の詩
千尋の真面目な告白
麗奈先輩の優しい愛情
静香さんの知的な恋愛
どれも真剣で、どれも美しかった
でも僕は、彼女たちの気持ちに応えることができなかった
僕が求めていたのは、僕の全てを理解してくれる人だったから
そして、その人は最初から僕の隣にいた
幼馴染の大輔
僕の良いところも悪いところも全部知っていて、それでも僕を愛してくれる人
今、僕は大輔と一緒に下校している。手を繋いで、他愛もない話をしながら
これが僕の求めていた、普通の恋愛だった
「さくら、今日何食べたい?」
「焼き肉!」
「相変わらず食べ盛りだな」
「うるさい」
僕たちは笑い合った
6人の女子たちも、それぞれの恋を見つけている
みんな友達として、良い関係を続けている
あのモテ期は、きっと僕の人生で最初で最後の出来事だろう
でも、それでいい
大切な人と一緒にいられるなら、それで十分だ
僕は大輔の手を握り返した
「大輔、ありがとう」
「何が?」
「僕を好きになってくれて」
「こっちこそ、ありがとう」
夕日が僕たちを照らしている
これから僕たちの恋愛がどうなるかはわからない
でも、今はこの瞬間が幸せだ
僕っ娘のさくらと、幼馴染の大輔の恋愛はまだ始まったばかり
でも、きっと素敵な恋愛になるだろう
なぜなら、僕たちはお互いのことを誰よりもよく知っているから
そして、お互いのことを心から愛しているから