それから1ヶ月後・・・
僕と大輔は正式に付き合うことになった
女子たちの『モテ期』騒動は嘘のように収まり
みんな友達として接してくれるようになった
「さくら、今度の日曜、映画見に行かない?」
大輔が僕の隣に座って提案した
「いいね〜〜でも、アクション映画がいい」
「相変わらずだな」
大輔は笑った
「でも、恋愛映画も たまには見てみたら?」
「う〜ん、考えとく」
僕はふと振り返って、教室の6人を見た
美月は新しい恋愛小説を読んでいる
僕が大輔と付き合い始めてから、彼女はより積極的に色々なジャンルの本を読むようになった
「寿さん、この本面白いですよ、今度貸してあげますね」
「ありがとう、美月さん」
愛美は新しい彼氏を見つけたらしい
同じクラスの明るい男子と楽しそうに話している
「寿、今度4人でダブルデートしない?」
「面白そうだね」
雅子先輩は演劇に熱中している
今度の文化祭では新作の恋愛劇を上演するらしい
「寿さん、今度の公演、必ず見に来てくださいね、あなたのおかげで、より深い愛の表現ができるようになりました」
「楽しみにしてます」
千尋は生徒会の仕事で忙しそうだが、時々僕にアドバイスを求めてくる
「寿さんの率直な意見を聞かせてください」
「僕でよければ」
麗奈先輩は部活の指導で忙しい
でも時々、一緒に走ろうと誘ってくれる
「寿、体力づくりは大切よ。今度一緒に走りましょう」
「はい、お願いします」
静香は相変わらず図書委員の仕事に熱心だ
でも今は僕に恋愛小説ではなく、様々なジャンルの本を紹介してくれる
「寿さん、この推理小説、とても面白いですよ」
「ありがとうございます」
みんな、それぞれの道を歩んでいる。でも友達として、良い関係を続けている
「よかった、みんな元気そうで」
「お前、本当に優しいよな」
大輔が僕の頭をぽんぽんと撫でた
「やめろよ、恥ずかしい」
でも、僕は嬉しかった
やっと普通の恋愛ができている。
「なあ、大輔」
「ん?」
「僕の『モテ期』結構すごかっただろ?」
「ああ、学校史上最強の『モテ期』だったな〜〜6人同時告白なんて、伝説になるぞ」
「でも、こうやって大輔と付き合えて良かった」
「俺もだよ」
2人で笑い合った
放課後、2人で帰る途中、愛美に声をかけられた
「寿、お疲れ様」
「お疲れ様」
「新しい彼氏と上手くいってる?」
「まあまあかな〜〜でも、寿と大輔を見てると、やっぱり長い時間をかけて育んだ愛っていいなって思う」
「そうかな?」
「そうよ、アタシたちは寿の一面に惹かれただけだったけど、大輔は寿の全部を愛してる、それって素敵じゃない?」
愛美は笑った
「でも、寿を好きになれて本当に良かった、おかげで、恋愛について色々考えることができたから」
「ありがとう、愛美さん」
美月も現れた
「寿さん、大輔さん、お疲れ様です」
「美月さん、新しい本はどうですか?」
「とても面白いです、恋愛小説も良いですが、冒険小説も素晴らしいですね」
美月の読書の幅が広がっているのが嬉しかった
「寿さんのおかげで、新しい世界を知ることができました」
雅子先輩も部活の帰りに声をかけてくれた
「寿さん、大輔君、お疲れ様」
「お疲れ様です」
「今度の公演の準備、順調です。寿さんと大輔君の恋を見ていて、より深い愛の表現を学びました」
「そんな大げさな」
「いえいえ、本当です、お二人を見ていると、真実の愛とは何かがわかります」
千尋、麗奈先輩、静香も、それぞれ声をかけてくれた
みんな、僕たちの恋を祝福してくれている