翌日、僕は意を決して 6人全員に集まってもらうことにした
放課後の誰もいない教室で、美月、愛美、雅子先輩、千尋、麗奈先輩、静香が僕を囲んで座っていた
6人の美女に囲まれている状況は、客観的に見ればとても贅沢なものだろう
でも僕にとっては、とても辛い時間だった
「あの、皆さん、お忙しい中お時間をいただいて、ありがとうございます」
僕は立ち上がって深呼吸した。手が震えている
「僕、皆さんの気持ちは本当に嬉しいです、こんな僕を好きになってくれて、本当にありがとうございます」
6人がじっと僕を見つめている。
「でも・・・」
僕は一度言葉を切った
「僕、やっぱり男子が好きなんです」
美月が小さくため息をついた
「だから、皆さんの気持ちにお応えできません、本当に、本当にごめんなさい」
僕は深々と頭を下げた
教室に重い沈黙が流れた
最初に口を開いたのは愛美だった
「そっか」
愛美は立ち上がって、僕の肩に手を置いた
「アタシたち、ちょっと暴走してたかもね」
「愛美さん・・・」
「でも後悔はしてないよ、寿を好きになれて良かった」
次に雅子先輩が立ち上がった。
「私たちも、寿さんの気持ちを考えずに、自分の気持ちだけを押し付けていました」
「そんなことないです」
「でも、寿さんの正直なところ、やっぱり素敵だと思います」
雅子先輩は微笑んだ
「これからも、その率直さを大切にしてくださいね」
静香が眼鏡をくいっと上げた
「寿さん、私たちの気持ちを真剣に受け止めてくれて、ありがとうございました」
千尋が立ち上がった
「友達としてなら、どうでしょうか?」
「え?」
麗奈先輩が提案した
「私たちは寿のことが好きです・・・恋愛感情ではお応えできないとしても、友達としてなら、これからも一緒にいてもらえませんか?」
僕は嬉しくなって笑顔になった
「もちろんです!僕も皆さんと友達でいたいです」
美月が小さく笑った
「よかった・・・寿さんを失うのは辛いですから」
その時、教室の扉が開いた。
「さくら!!!!」
大輔が立っていた
手には大きな花束を持っている
「え?」
教室がざわついた
6人の視線が大輔に集中した
「俺、ずっと言えなかったことがある」
大輔は僕の前まで歩いてきた。
「俺、お前のこと、ずっと好きだった」
「は?」
僕の頭が真っ白になった
「お前の真っ直ぐなところ、誰にでも平等なところ、そして僕っ娘なのに女の子らしいところも、全部好きだ」
大輔は花束を僕に差し出した。
「俺と付き合ってくれないか?」
教室中がシーンとなった
6人の女子たちも息を呑んで見守っている
「だ、大輔・・・」
僕の顔が真っ赤になった
心臓がドキドキして、手が震えた
幼馴染の大輔
いつも一緒にいて、僕のことを全部知ってくれている大輔
「僕・・僕も・・・」
僕は大輔の言葉を思い出した
「お前の全てを知ってるのは俺だけだ」
確かにそうだった
大輔は僕の良いところも悪いところも全部知っている
そして、それでも僕を好きでいてくれた
「僕も、大輔のことが好き」
僕は小さな声で言った
「え?」
「僕も、大輔のことが好きです」
今度ははっきりと言った
大輔の顔が輝いた
「本当か?」
「うん」
大輔は僕を抱きしめた
「ありがとう、さくら」
教室から拍手が起こった。6人の女子たちが笑顔で拍手をしてくれていた
愛美:「おめでとう、寿!」
雅子先輩:「素晴らしいラブストーリーですね」
千尋:「お似合いのカップルです」
美月:「まるで小説のようです」
麗奈先輩:「幸せになってね」
静香:「理想的な恋愛の形ですね」
僕は涙が出そうになった
みんな、僕のことを祝福してくれている