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ヤクザ専門退職代行・極道リセット株式会社
ヤクザ専門退職代行・極道リセット株式会社
マカロー
現実世界裏社会
2025年05月30日
公開日
5.3万字
連載中
「退職代行業界に革命を。」 そう言って現れたのは、赤ジャージにサングラス、常にタピオカ片手の謎の女社長・獅堂(しどう)まゆら。彼女が設立したのは、“ヤクザ専門”の退職代行サービス。ターゲットは、抜けたくても抜けられない反社の人々。 顧客第1号は、「刺青ダルマの健ちゃん(41)」。 「もう疲れた。畑耕して平和に暮らしたい」 という涙ながらの依頼を受け、まゆらは最強のチームを召喚。 命がけの「退職」交渉は、常に一歩間違えば白装束エンド。 でもまゆらには信条がある―― 「人生はリセットできる。たとえそれが血で書かれた誓約書でもな!!!」

第1話「刺青ダルマの健ちゃん、畑を耕す夢を見る」

「もう疲れた。畑耕して平和に暮らしたい」


その言葉を聞いた瞬間、俺は思わず目を見開いた。


目の前に座るのは、全身に龍と菩薩の刺青を纏い、指が数本欠けた強面の男。


彼の名は「刺青ししゅうダルマのけんちゃん」。


かつては武闘派組織の幹部として名を馳せた男が、今、涙ながらに引退を願い出ている。


「健ちゃん、あんた本気で言ってんの?」


俺の問いに、健ちゃんは力なく頷いた。


「もう、血を見るのは嫌なんだ。朝日を浴びて、土を耕し、野菜を育てて暮らしたい」


その言葉に嘘はなかった。


だが、ヤクザの世界はそんなに甘くない。


一度足を踏み入れたら、簡単には抜け出せない。


ましてや、健ちゃんほどの大物が引退を申し出れば、組は黙っていないだろう。


だが、俺には一つの切り札がある。


獅堂しどうまゆら」


彼女は、元地下アイドルでありながら、今や伝説の退職代行人として名を馳せている。


彼女の手にかかれば、どんなブラック企業も、どんな組織も、退職させることができる。


俺はすぐに彼女に連絡を取った。


数時間後、赤いジャージにサングラス、タピオカを片手にしたまゆらが現れた。


「それ、退職案件だね〜♪」


彼女の口癖が飛び出す。


まゆらは、健ちゃんの話を真剣に聞き、頷いた。


「よし、やってやろうじゃないの。ヤクザ専門退職代行サービス、始動よ!」


彼女は、元CIAのジョン田中たなか、元ホストのリュウ、現引きこもりのハルを召喚。


最強のチームが結成された。


ジョン田中は、冷静沈着な分析力で組の動向を探る。


リュウは、巧みな話術で組員たちを丸め込む。


ハルは、ネットの情報を駆使して、組の弱点を突く。


まゆらは、彼らを指揮し、健ちゃんの退職を成功させるために動き出す。


だが、組は簡単には引き下がらない。


健ちゃんの退職を阻止しようと、あらゆる手段を講じてくる。


まゆらたちは、命を懸けた交渉に挑む。


「人生はリセットできる。たとえそれが血で書かれた誓約書でもな!!!」


まゆらの信条が、彼らを突き動かす。


警察もヤクザも政治家も巻き込んだ、前代未聞の退職劇が幕を開ける。


社会のド底辺から人生をリスタートする、爆笑&カオスな極道脱出エンタメ、開幕!

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