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第14話 興味ないってのがわかった みやび視点

「え、ナギの寮って女性が居るんだ」

そりゃ寮を仕切る人も居るだろうけど、それが女性って知るとやっぱりなんだか複雑な気分。

いや、ただの嫉妬だけどね。

自分も見たことのない寝起きのナギとかお風呂上りのナギとかが見れるってのはすごくうらやましい。

寝起き、ってどんな感じなんだろ。

ちょっと想像つかない。

いつも完璧に見えるナギだって寝ぼけたりするんだろうか。

そしてお風呂上りとか色気駄々洩れだろうな、と歯噛みする。

見たい。

くぅ、羨ましすぎるぞ、ずるいぞ寮母。


「えっと、どんな人、なの?」

若い女性じゃなきゃいいな、と嫉妬心を隠しながら聞く。

とにかくモテるナギはきっと寮母さんにも可愛がられてるんだろうな。

「どんな人、か・・・年は俺の母親よりも上って感じだな」

良かった。

若い女性じゃないってだけで一安心。

我ながらこの嫉妬心は嫌だな、って思うけどナギが好きだからどうしたって妬いてしまう。

「へー・・・他には??」

「名前は白鳥乙女、らしい。みんなが名前をいじってるからそれで覚えた」

随分と可愛らしい名前だ。

おばあちゃんになっても、乙女さん、か。

本人としてはどう感じてるんだろ。

『乙女おばあちゃん』うーん、ちょっと可愛いな。アリだな。

「お子さん居るの?」

「息子が3人居ると言ってたな。よくそれで俺らと比較される」

うわぁ、3人も産み育てたなんて大変そう。

「・・・それで?」

「それだけだが?」

うん??知ってるのって名前と簡単な家族構成だけ?

それも寮で暮らしてて耳に入る情報だよね。

個人的に会話したりとかしないのかな。

どこ出身だとか、仕事以外ではなにをやってるのか、とか。

もっとこう、人となりとかなんかない?と思って小首をかしげながらナギを見る。

そんなナギも「それ以外になにかあるのか?みやびは何を聞きたいんだろうか」って不思議そうな顔してる。


そうだった・・・。

そういう人だったな。



「わかったよ、ナギが人に興味が無いってのがよくわかった」



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