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44 ミクリの1歩


天倉 美来里あまくら みくりは今年で19歳を迎える、『暁火隊』後方支援部隊に所属するダンジョン適性Eの黒髪黒目の平凡な女子だ。


ダンジョン社会においては珍しくもない、親兄弟の居ない孤児院出身の孤児で、元々は若手パーティのポーターをやっていたが、色々とあって『暁火隊』後方支援部隊に所属する機会に恵まれた。


ミクリは物心ついた頃には孤児院で暮らしていた。


両親のことは少しも知らないけれども、孤児院に行きつく子供は大抵両親ともに亡くなっているか、ダンジョン社会の厳しさに育児を諦めた親から捨てられたか、そんなところだ。


日本には一応戸籍制度が残っているため、孤児院に来るまでの事情を探ろうと思えばそれは不可能というほどでもないのだが、大体は陰惨な事情に辿り着くので、よほど自分のルーツに興味がある者でなければわざわざ調べようとは思わない。


ミクリは現状に満足しているため、ルーツを探ろうという気の起こらないタイプの孤児であった。


ミクリの育った孤児院は幸運にも、環境として非常に恵まれている施設であった。


個室までは与えられないものの、2段ベッドを4つほど詰めた部屋に1人1つずつベッドが割り振られ、食事は栄養管理のために昼食が完全栄養食のレーションであった以外は朝夜と職員の手作りで、具は少なくも温かくおいしいものを食べさせられた。


ダンジョン社会においては高値のつく新鮮なフルーツなんかも、時々は食卓に並んだ。


子供用の室内用玩具は1人1つ持てるほど充実しており、広い庭に遊具も建てられていたから、のびのびと遊べる子供同士、諍いも少ない。


ダンジョン適性によって教育に違いはあったが、簡易検査も全員何度か受けさせてもらえた上で教育を分けられていたから、不平が出ることもなかった。


孤児院の子供は皆兄弟くらいの感覚で育てられ、それはもちろん時に兄弟喧嘩もあったけれど、そんなときは親代わりの職員が双方の話を平等に聞いて、優しく諭してくれたものだった。


巳宝堂系列ではない孤児院であれほどしっかりとしている施設はそうない、或斗から育った孤児院の話を聞いた時はあまりの格差に絶句したものだ。


或斗が埃塗れの屋根裏部屋で寝起きしていた話など、聞いた時には涙が出そうになり、或斗を慌てさせた。


どちらかといえばミクリの環境の方が特殊であったのではないか、と社会に出た後のミクリは感じている。


ダンジョン社会はあの孤児院のように優しくなく、孤児院を出たミクリはミクリという個人ではなくダンジョン適性Eの女として扱われるようになった。


自分を育ててくれた孤児院への感謝を一層募らせたミクリは、稼いだお金の中から色々と工面して孤児院への仕送りをしている。


ミクリ以外の出身者もきっと同じようなことをしているだろう、だからあの孤児院はああも優しい場所であり続けられるのかもしれない。


そもそも、あの孤児院があんなにも優しい方針となった端緒は、旧時代の倫理観を強く残した者が経営に関わっていることにあるのだろう。


面倒ごとを避けるためにあまり大きな声では言われないのだが、ミクリの育った孤児院はあの伝説のパーティ『焔の心』のリーダーが立ち上げに関わっているそうなのだ。


『焔の心』は今ではパーティメンバーがほぼ60代前後で、『焔の心』というパーティは解散済である。


元メンバーは隠居生活をしているか、ダンジョン省の高官として働いているかといったところであるらしい、これは『暁火隊』に入ってから日明に聞いた話だ。


というのも日明自身が『焔の心』のメンバーと交流深く、事情をよく知っているからだとか。


現在のダンジョン省直轄国営組織、ギルドのトップは『焔の心』の元パーティメンバーであるとも聞いた。


実を言うとミクリは幼少期、いくつの時だったか正確には覚えていないくらいの歳の頃、『焔の心』のリーダー幸路 燈ゆきじ ともると直接話をしたことがある。


経営方針の話し合いついでの、慰問のようなものだったのだろう。


幸路は1人1人と話す時間は短くなってしまうも、子供たち全員と真っ直ぐ向き合って話をしてくれた。


幸路がどんなにすごい人であるかなど知りもしないほど幼かったミクリは、何だか頼もしい雰囲気のおじさんが抱っこして話をしてくれる、くらいの認識だった。


当時のミクリは、周囲の高適性ランクの子供と比べてドンくさいことを気にしていて、オドオドしたところのある子供だった。


幼いミクリは優し気なおじさんに、普段接する職員相手には言えない悩み事を小さな声で漏らした。



「わたし、あしもおそくて、なんにもうまくできないの。ダメなこなのかな?」



そう言って、周囲の子供たちがいかにすごいか、いかに出来ることが多いかをポツポツと話した、と思う。


すると幸路は満面の笑顔で、「君は優しくて、他の子の良いところをたくさん見つけられる、とっても良い子だ!」と言い切った。



「でももし、自分の力が足りなくて悩むときは、才能ではなく自分の意志で1歩を踏み出す、その勇気が一番大切なんだと、覚えておいてくれ」



確か、そんな内容の励ましを受けたように思う。


きっと後半についてはミクリが理解出来るとは思っていない、幸路自身の理想のような言葉だったのだろうけれど、幸運にもミクリはその温かい言葉をずっと覚えていた。


ミクリの今の人格というものは、優しい孤児院の環境と、幸路とのあのたった1度の会話によって形成されている、とミクリ自身は考えている。


そんなミクリが『暁火隊』の後方支援部隊へ所属するに至ったのは、先ほど名前を挙げた或斗、遠川 或斗という17歳の少年がきっかけであった。


或斗と初めて出会ったのは旧渋谷ダンジョンという中規模ダンジョンに、若手有力パーティのポーターとしてついて入るときだった。


パーティメンバーから少し荒いからかいを受けたミクリが転んでしまって、パーティの大事な食料や水を落としてしまって、或斗はそれを拾うのを手伝ってくれた、優しいモグリの少年だった。


ミクリが高校を卒業してから出たダンジョン社会は本当に他人に厳しくて、ダンジョン適性が高い者はミクリのような木っ端の低適性ランク者を同じ人間と思っていない節があるように見受けられたし、同じ立場にある筈の低適性ランク者たちは皆自分が生きるのに精いっぱいで、他人のことを気遣うような余裕を持ってはいない人がほとんどだった。


或斗は物を拾っただけだし、きっかけは自分のせいだったから、と謙遜するけれど、あの場での一般的なモグリの反応はミクリなんか放っておいてそそくさとダンジョンの中へ入っていくことだったと思う。


そんな一般的なモグリとは違い、落とした荷物を拾うミクリを手伝ってくれる優しさを見せた少年は、どこか暗い目をしていた。


きっと優しいから、ダンジョン社会の厳しさに打ちのめされてしまっているのだろうとミクリは感じた。


ミクリは幸運だ、優しい環境で育って、若手の有力パーティのポーターに就くことが出来た。


自分が頑張って、世の中にはポーターだけどすごい人間がいるんだぞ、とそんな風に言われるような人物となれたなら、この優しい少年の瞳も明るくなるだろうか、いや、そうであってほしいし、そうありたい。


決意も新たにダンジョンへ踏み入ったミクリは、結論だけ言えば死にかけた。


パーティメンバーがワープトラップを踏んでしまって、ミクリなんか小突かれただけでも死んでしまいそうなほど凶悪なモンスターが出て来て、とっても強いはずのパーティメンバーたちを次々戦闘不能にしてしまい、もう最後の1人が食いちぎられる、そんな状況であった。


ミクリは急なことに何も考えられず、けれどポーター採用の際にミクリの履歴書を選んでくれた恩人であるその人を目の前で死なせたくなくて、庇うようにモンスターの目の前へ身を投げ出した。


きっと即死するから、怖くない。


一瞬の間にそう自分へ言い聞かせたミクリだったけれど、現実はそうならなかった。


目深に被ったフードの中で虹色の眼を輝かせるモグリらしい人物が、モンスターを倒してくれたのだ。


その人物が或斗であったことを、ミクリは再会した日に知った。


或斗は偶然起きた鉄骨落下事故からミクリを、その場にいた全員を救うため、隠していたその虹眼の力を使ってくれたのだ。


そのせいで或斗は「カージャー」というテロ組織につけ狙われることとなったという。


そういった詳しい事情を知ったのは、ミクリが「カージャー」にさらわれて或斗に助け出されたもっと後、ミクリが『暁火隊』の後方支援部隊に所属してからのことだったが、ミクリは或斗の勇気と選択を、心から尊敬した。


或斗は自分のことを卑下して謙遜しがちだけれど、本当に優しくて、立派な人だ。


ミクリはそんな或斗と友達になれたことを、人生で得た幸運のうち最も大きな1つだと思っている。


先日もミクリは或斗に助けられたのだという。


信じがたいことだけれど、慈善事業団体であるはずの巳宝堂財団が或斗を脅すためにミクリら『暁火隊』の仲間たちを人質にしていたらしい。


今回もミクリは知らないうちに或斗のお陰で命を拾っていて、正直なところ、ミクリは歯がゆく思っていた。


特殊な力を持つ、特殊な立場の或斗を、1人の友人として近くで支えたい、助けたいと思って『暁火隊』後方支援部隊の門戸を叩いた。


けれど実際に或斗を身の危険から守るのは日本最強と名高い此結 普であり、こまごまとしたサポートは出来ているとしても、4度も命を救われたお返しが出来ているとは、ミクリには到底思えなかった。


かといって或斗のように特殊な力などない、適性Eの平凡な人間であるミクリが出しゃばって良い結果になることなどない。


ミクリは、日本最強の男と同じ働きが出来ると言える不遜さは持ち合わせていなかった。


それが悩みどころではあったけれど、ミクリに出来ることは決まっていて、ひとまずは後方支援部隊として立派に働くことでほんの少しでも『暁火隊』の戦闘メンバーとして頑張る或斗の役に立っているのだと、そう思って仕事に励んでいた。






或斗と出会ってから1年ちょうど経つ頃、5月の半ば。


インターネット上で普をこき下ろす内容の記事が拡散され、同時に普の所属する『暁火隊』まで世間から悪く言われるようになってしまった。


それは先日ミクリたちを人質に、或斗を手に入れようとした巳宝堂の仕業であるらしい。


或斗はミクリたちの身柄と引き換えに誘拐されていたらしく、知らないうちに助けられていたミクリはまたも何も力になれなかった。


風評と巳宝堂の計略のせいで仕事がなくなった『暁火隊』は戦闘メンバーから後方支援部隊まで、暇を持て余していた。


ミクリはその中でも、普段出来ない資料整理などをしようと1人資料室に籠っていたのだが、資料室の外で誰かが声をひそめて話しているのが聞こえる。


盗み聞きをしたい気持ちはないけれど、資料室の中にはミクリ1人しかいない、物音を立てて追い払うのも申し訳ないし、とミクリは困っていたのだが、そのヒソヒソ話に「遠川」という苗字が出てきたところで思わず整理の手を止め、聞き入った。


声の主は後方支援部隊の先輩の1人であるとミクリには分かった。


ミクリは『暁火隊』後方支援部隊に加入して10ヶ月ほど、既に戦闘メンバーはもちろん、後方支援部隊のメンバーの名前と顔、関係性などを全て記憶していた。


話している相手は、同じく後方支援部隊のメンバーの1人だ。


聞き耳を立てていると、2人は信じがたいことを言い始めた。


今の『暁火隊』への逆風は全て或斗のせいであり、だから或斗を襲撃して『暁火隊』から追い出してしまおうという、そんな突飛で恐ろしい話し合いであったのだ。


そもそも或斗は被害者であり、今回の件は巳宝堂の姦計であって、『暁火隊』はもちろん或斗自身も何1つだって悪くない。


けれど、「カージャー」が関わっていることもあって事の詳細は戦闘メンバーと後方支援部隊の一部にしか知らされていないこともミクリは知っていた。


ミクリはその場でどうすべきかを考えた。


先輩らの話しぶりによれば、或斗襲撃を企んでいるのは今の話し合っている2人だけではないらしい。


最も平和的な解決法は彼らを説得することだろうが、襲撃を考えているメンバーが誰なのか、全容を把握出来ていないし、ひそめられた先輩らの声にはどこか妖しい熱が籠っているように思われて、ミクリ1人で事情を説明したとして、納得してもらえるか分からない。


日明や栞羽といった『暁火隊』の上層部にいる人たちへ襲撃計画について密告する、これは一旦問題を解決出来る。


けれどやっぱり誰が不満を持っているのか分からない以上、日明たちとはいえ巳宝堂への対応を迫られながら不穏分子全員を見つけ出して説得することは難しく、また「カージャー」関連で事情を全て説明出来ない現状において、この解決策では、先輩らの不満や疑念は消えないだろう。


ただでさえ逆風の中にある『暁火隊』の、身内まで誰が敵なのかと疑ってかからなければならない状況が続くのは良いことだと思えない。


説得をするにしても、詳細な事情を話すにしても、襲撃を考えているメンバーの把握と集合は必須。


ミクリがこの場で出した結論としては、或斗を襲おうとしているメンバーが誰なのかをいち早く正確に把握して、一旦ひとまとめに集めて捕縛して、上に任せるのはその後の方が良い、というところであった。


まずは情報収集、ミクリは整理していた資料を音を立てずにそっとしまって、先輩らの話をしっかりと聞き終え、彼らが去ったのを確認してから資料室を駆け出た。


それからは後方支援部隊のメンバー、もちろん先ほど話をしていた先輩たちへもさりげなく声をかけ、話をしながらその雰囲気を推し量り、怪しい雰囲気の人々を心の中でマークする。


本部ビル内でコソコソと動いているメンバーを把握し、その交友関係を頭の中で洗い直して、襲撃に参加するだろうメンバーを予測して確認のため声をかけにいったり、とミクリは駆けずり回った。


ミクリは以前から先輩後輩問わず、よく声をかけて仕事を手伝ったり、世間話をしたり、そういった行動が日常的であったため、不審に思われることはなかった。


その上今は後方支援部隊、戦闘メンバー共にほとんどが暇を持て余している状態だ。


声をかけることは不自然でなかったし、嫌がられることもなかった。


ミクリが15日中ずっと駆け回って分かったことは、或斗襲撃を企んでいるのは後方支援部隊のごく一部であり、戦闘メンバーは含まれていないこと。


これにはミクリはかなり安堵した、もし戦闘メンバーが含まれていたら、捕縛は大変どころの話ではないからだ。


そしてミクリは世間話の合間にちょこちょこと或斗の話を差しはさみ、その反応を見て襲撃メンバーを予測するとともに、それらしいメンバーには「或斗はダンジョン適性が無いから、集団に囲まれるような場面があったら心配だ」と不自然にならないよう会話を誘導して言ってみることにした。


こう言っておけば、戦闘に自信のない後方支援部隊の人間ならばきっと全員で取り囲んで襲撃を行おうとするだろう、と考えてのことである。


実際に或斗が集団に囲まれてしまえば大変なのは事実であり、不穏分子を集めるためとしてもそのように誘導することには気が咎めたけれど、不満を持つメンバーを残しておく方が或斗にとって危険なのは確かだ。


ミクリは15日中かけて不穏分子の大体の把握と、襲撃方法の誘導を仕込んだ。


しかし暇を持て余したメンバーたちは不満を募らせるのも早かったらしい、ミクリが翌日、割り振られた少しの仕事を早々に終えて襲撃計画の詳細を掴もうとしている間に、襲撃メンバーだと考えられる後方支援部隊の先輩たちの姿が見えなくなっていることに気付いた。


ハッとして或斗が居るはずのオフィス区画へ走って行ってみれば、或斗の姿もない。


襲撃計画がもう始まっている……! そう理解したミクリはまず普の姿を探した。


後方支援部隊の先輩らの怪我の度合いはすごいことになるかもしれないが、或斗を無条件で助けてくれるのは確かだからだ。


そう考えて受付へと駆けて訊いてみれば、普は本当にタイミングの悪いことに、ほんの少しの間だけ外に出ているらしい。


ミクリは非常に焦った、ミクリが昨日誘導した通りに先輩たちが行動しているとすると、今ごろ或斗は袋叩きにでも遭っているかもしれない。


優しい彼のことだ、自衛出来る力があってもそれを仲間だと思っている人々へ向けることはしないだろう。


他に誰か、戦闘に強い人で、或斗の事情を知っている人、とビル内を駆けずり回ったところ、休憩室でコーヒーを飲んでいる後方支援部隊の先輩である落合を見つける。


落合は元戦闘メンバーで、家庭を優先するために後方支援部隊へ移ったという話をミクリも聞いていた。



「落合さん……! あ、或斗くんを助けてください!」



息を切らしたミクリのたどたどしい、焦りでわけもわからなくなっている短い説明を聞いて、落合はすぐに立ち上がってくれた。



「人気のない場所でリンチとくれば、ビルの裏か資料室だろう」



そう言ってビルの窓から外を確認して人影のないことを見るやいなや、落合は4階の資料室へ物凄い速さで駆けだしていった。


ミクリがゼエハア息を荒げて資料室へ追いついた頃には、襲撃メンバーだとマークしていた10人全員が資料室の中で倒れており、或斗は怪我なく呆気にとられていた。


間に合ったこと、或斗を助けられたこと、先輩たちにも大きな怪我はないことを理解したミクリは、昨日から張りつめていた気が抜けて切らした息の上から大きくため息をついた。



「ありがとう、ミクリ……」



そう礼を言う或斗はきっとまだ状況を吞み込めていないのだろう、へにゃりと頼りない笑顔を浮かべていた。


或斗の気持ちはミクリにもよく分かって、でももう大丈夫なんだよと言いたくて、いつもは使わない強気な言葉を返してみた。



「ちょっとだけ、助けかえせたね」



4度命を救われたお礼には到底足りないけれど、或斗の状況を少しでも良く出来たなら、ミクリは満足だった。


ミクリが笑ってみせると、或斗は意外なことを聞いたとでも言わんばかりに目を瞬かせて、今度は優しい彼らしい笑みをしっかりと浮かべた。



「いつも助けてもらってるよ、たくさん」



そんなことないよ、と否定するのも或斗へ失礼な気がして、ただミクリは笑い返した。


小さなミクリの積み重ねが、少しでも或斗の助けになっていたのなら、それ以上に嬉しいことはないのだ。


ミクリは或斗と違う、何の特殊能力も持たないダンジョン適性Eの平凡な、弱い人間だ。


それでも、出来ることがないわけじゃないって信じていれば、こうして彼を助けることも出来る。


あの幼い日に聞いた「才能ではなく自分の意志で1歩を踏み出す、その勇気が一番大切なんだ」という力強い声が、ミクリの頼りない足を支えてくれる。


そうしてミクリはこれからもまた、自分を信じて1歩を踏み出すのだ。


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