目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

47 初百合


苺木 初百合は22年前、ダンジョン安定期に入ろうとしていた世間の中で、経済的・精神的に不安定な、平凡な家に生まれた。


出生時のダンジョン適性はEであり、それは両親を含めた家族を大きく失望させたという。


この頃は混乱期のピークより病床数が増え、人々は混乱期の不安を残したまま、出産についてこのように考えるようになっていた。


もしもダンジョン適性の高い子供が生まれれば、政府から優遇措置を受けられる、その上自分たちを守ってくれ、将来的には稼ぎ頭となってくれる。


高ランク適性者の出生はランダムであると、まだ22年前には実証されてはいなかったが、経験則としてその傾向があると知られ始めていた。


よって、ダンジョン適性の低い親ほど子供を欲しがるようになり、出生率は混乱期のピークが最低値、その後数年で驚くほどに増加した。


苺木はそのような時代的背景に沿った思想で生まれた子供であったので、その適性の低さは両親らを失望させたが、しかし平凡な家庭として家族がその失望を苺木本人へ向けることはほぼ無かった。


苺木は5歳までは、平凡な家庭の平凡な子供として、ごく普通に愛されて育った。


それが幸いだったかは、その後のことを考えれば怪しいところになるが。


17年前、苺木が5歳の時、苺木家の住んでいた地域にダンジョンが発生し、モンスターが周囲にあふれ出た。


苺木家にも当然モンスターの襲来があったが、家族は幼児らしく自分の足で満足に逃げられない"お荷物"であった5歳の苺木を見捨ててモンスターから逃げ出した。


あの日の絶望感を、苺木は今でも夢に見る。


庇護者と信じていた人たちに邪魔なものを見る目で見捨てられ、背後から迫る狼型のモンスターの足音、滴る涎の音、息遣い。


適性Eの5歳児の足で逃れられるはずもなく、苺木は腕を、足を、背の肉を生きたまま食いちぎられて、途中からは気絶したために覚えていないが、まあ到底生き残れないだろうほどの怪我を負った。


ところが、苺木には次に目を覚ます機会が与えられた。


病院のように白い天幕の中で、血と消毒液の臭いがプンと漂っていたのを覚えている。


苺木は簡易ベッドの上で点滴を受けていて、食いちぎられたはずの腕も足も背も、どこも痛くなかった。


苺木の意識の中ではつい先ほど味わった恐怖に泣き叫ぶと、医師や看護師が飛んできて宥めながら容態を確認してくれた。


そして苺木の泣き声に気付いて、美しい女性が心配そうに駆け寄ってきてくれた。


金の長く綺麗な髪に、黒から紫に変わりゆく途中の落ち着いた色合いの瞳、それが当時19歳だった巳宝堂 茴香であった。



「怖い思いをしましたね。もう大丈夫、私がいます、皆もう、何も怖くありませんよ」



茴香は泣きじゃくって涙や鼻水を高いだろう服に擦り付ける苺木を少しも厭わないで、抱き上げ、声をかけ続けてくれた。


苺木が30分ほどかけて泣き止むと、茴香は心から安心した表情で微笑し、自己紹介から今の状況を苺木にも分かるよう、かみ砕いて説明してくれた。



「私は巳宝堂 茴香、呼びにくいでしょうから、ういかでよろしいわ。貴方がたのような、ダンジョンという災害で怖い思いをした人たちを助けて回っているのです。とても満足な結果は出せていませんが……今回はダンジョンの発生地点と近い場所に偶然居られて、運が良かった……貴方がたを助けられましたからね」



茴香は苺木の暗色の茶髪を撫でた。


苺木が「うでとあしと、せなか、いたくないの、どうして?」と尋ねてみれば、茴香は何でもないことのようにポーションを使ったのだと言った。


当時のポーションの正確な価値を知ったのは苺木がもう少し成長した後になるが、当時ポーションは安定供給などとても望めないほど研究が進んでおらず、また効果も2051年現在でいうところのA級のものしか作れなかったので、数の少なさとオーバースペックの問題で、価値は金銀財宝よりも高く、権力者は真っ先に買い集めようとしていたものだった。


巳宝堂といえど、17年前当時ではそう数もなく本当に大切な時、例えば茴香が危険だとか、そういったときのために1本常備しているかくらいのものだったという。


それを適性Eの見ず知らずの子供でしかない死にかけの、助かるかも分からない苺木に使ってくれたことは、例えるならば1000万の値が付くワインをドブに流したようなものである。


茴香のおつきをしていた当時の人々は当然に茴香を止めたが、結局は茴香の一存でポーションが使われることとなり、苺木は奇跡的に助かったのだという。


そこまで具体的に状況や価値を理解したわけではなかったけれど、5歳の苺木にもポーションの価値が高いことくらいは分かっていたから、驚いた。


ポーションを使ったのは私の一存で、と話す茴香の目には、何らかの憂いがあると見て取れた。


当時は分からなかったが、数年後には茴香がダンジョン社会の適性差別を憂いていたこと、周囲の者ですらその価値観で行動することを嘆いていたのだと分かった。


茴香は優しいまなざしで、苺木の家族が無事であること、そして家族の元へ帰りたいなら一緒に暮らせるよう取り計らうことも出来る、と提案してくれたけれど、苺木はその場で強く首を横に振った。


自分を見捨て、殺しかけた家族の元へ戻るなど冗談ではない。


何より、苺木は茴香の役に立ちたかった。


志を同じくする相手を持たず、1人で何か大きなものと闘っている茴香、強く優しくも脆さのある茴香を助け、支えたい。


苺木はその場で、その後の人生全てを茴香へ捧げ、仕えることを決めた。


巳宝堂の事業の一環として、ダンジョン災害孤児の一部に教育費を支援するものがあり、苺木はそれで学校教育を受けた。


学業においては常にトップをとり続け、その執念、茴香への想いに同調するかのように適性もAにまで上がった。


苺木の適性が変化したことをどこで耳に入れたのかは知らないが、家族と名乗る人間たちがすり寄ってきたこともあったけれど、苺木はそれを一蹴した。


血が繋がっていようと、地に頭を擦りつけて見捨てたことを詫びてこようと、苺木にとってはどうでもいい有象無象に過ぎなかった。


苺木は勉学と戦闘の修行を積む中で、同時に年月を経るごと大きくなる巳宝堂財団を運営していく茴香を手助けする務めがあったのだ。


茴香は財団が大きくなっても変わらなかった。


ダンジョン災害で放棄された街を自分の足で見て回り、逃亡の際に置いて行かれ、そのまま餓死したのだろう腐りかけたペットの亡骸を抱いて悲しげにする人だった。


茴香はこの世の全ての人に対して、憐みの心を持ち、幸せになってもらいたいと願う人だ。


苺木は、どんなに財団の規模が大きくなろうとも苺木を救ってくれた時と同じ美しい心を持ち続ける茴香を心から敬愛するとともに、誰よりも彼女の役に立つことで他の者へ向けられる同情と違う茴香の何らかの心、僅かにでも重い何かを向けてほしいと、そう願ってしまった。


所詮孤児出身、若いくせに生意気だ、と心無い言葉を受けながらも、巨大化し変化し続ける財団の中で必死に立場を確立し、16歳の頃にようやく財団会長代理、茴香の最も近くで働き、公私ともに支えられる右腕とも呼べる立ち位置を得ることが出来た。


異例の若さと立場だと認識している、ただ巳宝堂財団は始まりが茴香の私財からであったこともあり、大規模団体としての既得権益が出来上がる前に苺木が上り詰められたというだけの話でもあった。


茴香の最も近くで働くようになれた苺木であったが、茴香の心は常に衆生救済に向けられていて、茴香の人間らしい何らかの心――期待であったり、信頼であったり、好意であったり、そういったものが苺木に向けられることはなかった。


それは苺木が会長代理となって6年が経つ、今でもそうである。


茴香は全ての人類を同じように愛する、それだけの話だと諦めきれない己の醜さを呪う日もあった。


会長代理となり、財団の活動全てを把握出来るようになった苺木には、焦りがあった。


茴香は10年ほど前から、衆生救済のため、と洗脳薬の開発を始めており、財団員の特に狂信的な者へ実験体となってもらうなど、一般的にいえば倫理にもとる行為に手を染めていた。


苺木は、茴香のすることに間違いはないと思い込むように努めながらも、何か大きな不安、茴香がまるで坂道を転がり落ちていく宝石の珠のように思えて、恐ろしくあった。


医療系の技術者を抱え込み、慈善事業に役立てるとともに洗脳薬の開発を進めさせる茴香であったが、どうにも上手くいっていないようであった。


8年ほど前、この頃にはもう苺木は立場こそないものの茴香の傍へ侍ることが出来るようになっていたのでその接触の際も同席していたが、「カージャー」という国際テロ組織が巳宝堂財団へ秘密裏に接触してきた。


巳宝堂の洗脳技術に感銘を受け、技術提供をするといって、「カージャー」は未知の魔法技術を巳宝堂へ共有した。


元々の洗脳技術と「カージャー」の魔法技術によって、5年ほど前に悍ましい洗脳魔法を巳宝堂が生み出した、生み出してしまった。


開発と同時に苺木以外の財団員は全て洗脳を受け、組織の規模が大きくなるにつれて発生していた癒着や賄賂、横領といった不祥事は全て茴香の知るところとなり、内々に処理された。


悍ましいとは思いながらも、茴香のためならば洗脳を受けることも厭わない覚悟でいた苺木であったが、茴香が「貴方には必要が無いでしょう」とだけ言って、苺木だけは洗脳を免れた。


茴香様は私の忠誠を知ってくださっている、茴香様が死ねとお命じになればその場で死ぬことが出来る人間だと理解してくださっている、その事実で苺木は今までの全てが報われた気持ちになった。


ただし、国際テロ組織である「カージャー」との癒着状態は茴香の理想とはかけ離れているように感じていたし、苺木にとってはとにかく「カージャー」の狂気や不気味さといったものが恐ろしく思えて、手を切ってもらいたいと思っていた。


かといって茴香に意見を述べることなど恐れ多く、茴香が「カージャー」との関係を続けるのは苺木の力が不足しているからだと思えて、己の不甲斐なさに焦り、「カージャー」など頼らなくともやっていけるよう、財団の規模を大きくするよう努める毎日。


苺木はとにかく力が欲しかった、「カージャー」を排して、茴香の理想を叶えるための力が。


そして今年の4月、『暁火隊』所属の戦闘メンバーでありながらダンジョン適性無しであるという異例の少年、遠川 或斗のことを知った。


その特異かつ強力な能力を調べた苺木は、茴香へ報告を上げた。


茴香は「カージャー」も執着するところの「神の力」なるものに興味を示し、世界征服のための武器となると判じて、或斗を手に入れたいと言った。


苺木の役目は茴香の願いを叶えることだ、苺木の手配で或斗を巳宝堂の手中に入れるための準備を万全に整えた。


しかし、苺木が「神の力」を侮っていたために或斗と此結 普にしてやられ、逃げられてしまう。


cor・telaプランが始まりさえすれば、或斗など数の暴力で何とでも出来る。


問題は「神の力」を持つ或斗と、日本最強を謳われる此結 普の2人に直前で捲られる可能性があることだ。


「神の力」などというものに幻想を持ち、茴香の理想を理解する知能のない者を内へ招き入れようとした苺木の失態である。


力が必要だ、あの驚異的かつ神秘の力と、日本最強の男に伍するだけの武力が。


そしてそれは苺木自身の力でなければならない、茴香のため即座に心からの想いで身を捧げられるのは苺木だけなのだから。


けれど人間は一朝一夕に強くなれるはずもない、同じ適性Aとは言え、デスクワークや交渉事などに時間を割いてきた苺木では或斗どころか此結 普にすら手も足も出ないだろう。


『暁火隊』を追い詰めながらも内心焦るばかりの苺木へ、声をかけてきたのが「カージャー」の"バル=ケリム"を名乗る、若い男であった。


首元のよれた薄汚れたTシャツに皺だらけの白衣が清潔感に欠け、生理的な嫌悪感を与えてくる男。


ただでさえ「カージャー」というだけで印象が悪いのに、バル=ケリムは常に胡散臭い笑みを浮かべ、調子はずれの声音で話す奇矯な人間であり、出来ることなら苺木は関わり合いにはなりたくなかった。



「力がほしいんでしょぉ? 誰にも負けない力が」



そのような悪魔の誘いを受けなければ、の話であった。


一通り説明を受けて、苺木はバル=ケリムの誘いに頷いた。


バル=ケリムは適性Aの人間を実験体と出来ることに狂喜しながら、苺木へ「カージャー」でも最新のものであるモンスター融合手術を施した。


ドラゴンへ変身する力だという。


ドラゴンといえば、適性Aランクを抱えるパーティでも10人以上の精鋭で立ち向かわねばならない、災厄の象徴だ。


そして変身してしまえば最後、二度と人間へは戻れないと説明を受けても、苺木は選んだ、力を手にすることを。


あとほんの少しなのだ、The Day6月1日に、cor・telaプランさえ始めてしまえば、茴香の理想郷は完成する。


苺木は、そこに至るための踏み台で構わない。


この身を全て捧げることによって、苺木 初百合という人間が無くなった後でも、茴香がついぞ見せることのなかった人間らしい好意的な感情を苺木へ傾けてくれるかもしれない、と一抹のよすがのような期待を胸にしまって、5月30日の夜、苺木は巳宝堂の心臓部である大元サーバーの設置場所、研究施設の守りについた。







赤いドラゴンが咆哮し、或斗と普の鼓膜がビリビリと震える。


苺木の変身したドラゴンは、巨躯による体当たり、押しつぶし、鋭いかぎ爪の斬り裂き、太い尾による薙ぎ払い、どの攻撃を受けても人間の体は簡単に砕けてしまうだろう強力な性能を有していた。


或斗は虹眼を駆使しながら、駆け回る普をサポートし、安全を保持された普が全力の攻撃を放つ。


或斗自身が虹眼の力を使って攻撃を加えることもあった。


しかしドラゴンはまず、鱗の持つ魔法耐性が凄まじく、普の手札の1つである強力な魔法攻撃がほぼ通用しない。


或斗の虹眼で起こす現象は魔法ではないため、傷を負わせることは出来た。


無論、普の純粋な物理火力だけでも、足を落とすなど大きな怪我を負わせることは可能であった。


問題はその後である、或斗と普が与えた傷は、ドラゴンの心臓部にあるダンジョンコアが一瞬輝いたかと思えばもう回復し終わっているのだ。


そしてこちらはほとんど遠距離攻撃が使えないというのに、赤いドラゴンの攻撃手段は近距離物理だけでなく、当然のようにブレスもあった。


赤い鱗から火竜の類かと思えば、ドラゴンが吐いたのは熱風のブレスだった。


魔法的炎による火事が起こらない分去年の夏よりマシかといえば、そんなことはない。


炎属性と風属性が同時に乗った攻撃ということであり、熱風を或斗が虹眼で逸らしても激しい熱気すべてを避けることは出来ず、熱さが或斗と普の体力を奪う。


普などはどこかしら火傷くらいしているのではないだろうか、何しろ熱風は風なので視認しづらく、夜の薄暗い視界も合わせて完全に逸らすこと自体が難しい。


熱風の温度は直撃すれば人1人くらいなら完全に炭に出来るほどの温度で、熱風が直撃したアスファルトの地面などは融けてぐつぐつと煮え立っている。


或斗は普の守りと自衛のために多視の虹眼を使わざるを得ず、多視に時間制限がある以上、戦いが長引けば敗北は必至だ。


ドラゴンの急所、喉元などを斬り裂いてまた一瞬で回復された普が舌打ちの後に叫ぶ。



「この無限再生のタネはどう考えてもあのダンジョンコアだ、アレを狙う! 合わせろ!」


「はい!」



普が安全に心臓部へ辿り着けるよう、ドラゴンの動きを虹眼で止め、ブレスを吐こうとした口に衝撃を与えて閉じさせたまま固定する。


ドラゴンの心臓部にあるダンジョンコアへ辿り着いた普が全力の物理攻撃、魔法攻撃をぶつけるも、ダンジョンコアは欠け1つなく、変わらず暗黒色の枷に囲われたまま虹色に輝いていた。



「壊せない特性はそのままかよ、クソが!」



普は攻撃ついでにダメ元でダンジョンコアの掌握を試みようとするも、ダンジョンコアに反応はない。

既に別人に掌握されている状態である。


一旦ドラゴンから離れて或斗の多視を切らせながら、普は今のアタックで分かったことを共有する。


攻撃は通用するも、ダンジョンコアがある限りおそらく致命傷すら無限に再生してくる、ただでさえ一撃必殺の攻撃しか放ってこないドラゴンというモンスターが。


悪夢のような状況だ。


しかもドラゴンはきちんと理性を残してもいるようで、何も考えずに暴れ回っているのではなく、きちんと或斗と普を攻撃対象として認識して攻撃を向けてくる。


或斗は既に若干の頭痛を堪えていた、これ以上の時間は経てば経つほどこちらの劣勢が極まっていく。



「どうすれば……!」



焦りにダンジョンコアを見上げる或斗は、ふと先ほど一瞬苺木の魂を視たときの違和感を思い出し、ドラゴンのブレスを逸らしながら、一瞬だけ視魂の虹眼を使う。


苺木の魂は人型だったときとは違い、モンスターの形に変貌してしまっていた。


きっといつかのカリスと同じ、もう二度と戻れない変身なのだろう。


けれど赤く芯の通った澄んだ色は変わらない……否、先ほど苺木の魂に空いているように見えた空白部分に、虹色と暗黒色の六角形がはまっているのが視えた。


魂のあの部分が、ダンジョンコアと苺木を結び付けているのではないか、或斗は瞬時にそう直感する。


視魂の能力を使いながら虹眼の他の能力を併用することは、今のところ出来ない。


ブレスを逸らしたり、ドラゴンの動きを止めたりと言うことはできなくなるということだ。


だが、或斗の隣には普が居る。



「……しばらく動けなくなります。その間をお願い出来ますか」


「誰にもの言ってやがる」



或斗が普へ頼めば、普は睨むように吐き捨て、いつものように或斗を荷物担ぎした。


普は或斗の視界の中に常に赤いドラゴンが映るよう位置取りながら、振り下ろされるかぎ爪、薙ぎ払おうと襲い来る太い尾、熱風のブレスを全て避けて、避けて、避け続ける。


今、攻撃は必要ないと分かっているから、回避に専念でき、そしてそれだけならたとえドラゴンが相手であろうと普の身体能力の前では楽勝、と笑い飛ばせる程度のことであった。


或斗は上下左右と飛び回る視界に翻弄されないよう気合を入れて、ドラゴンの形へ変化してしまった苺木の赤い魂と、その内に巣食うダンジョンコアらしき形の何かを、六芒星の虹眼で睨んだ。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?