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第3話 脱ぎなさい

 秋(あき)は汐花(しおか)をアパートの自室まで案内した。

「ふうん。今どきは、こういうオシャレなアパートがあるのね」

「あ……。あの……。尾行してたこと、学校には……?」

「言ってほしくない?」

「は、はい」

「言ったらどうなっちゃうんだろうね」

「……」

「ヌードモデルにストーカーかあ。停学とかって、専門にあるのかしら」

 秋は土下座して、頭を垂れた。

「学校には言わないでください」

「じゃあ、取り引きしましょ」

 秋は顔を上げた。

「なんでもします」

 すると、汐花はおもむろに服を脱ぎ始めた。

「な、なにを…!?」

 汐花は全裸になった。

「別にいまさら、あたしの裸見て何もないでしょ?」

 そんなことはなかった。学校で見るのとはまったく雰囲気が違って、秋は完全に勃ってしまっていた。でも、学校と同様に汐花は堂々として見えた。汐花の裸体と態度が同じでも、場所が学校から自分の家に変わるだけで、こんなにも興奮するものなのか…。

「いつもの、右の位置に立ちなさい」

 秋は、土下座をやめ、立って、汐花の右側に立った。もはや、勃っているのは隠しようがなかった。

「抜きなさいよ。ほら」

「はい?」

「あたしの裸を見て、抜きなさいって言ってるの」

「い。いや……」

「なによ?そんなに興奮してるくせに。なに、恥ずかしがってんの?」

 秋は仕方なく、パンツを下げ、そそり立った性器を露出させた。

「すごいじゃん」


 ※


 秋のことが終わると、汐花はつまらなそうに言った。

「秋くん」

 スッキリしている秋は、半分夢うつつで、「はい」と応じるのが精一杯だった。

「あたしね。41歳。結婚してて子供も二人いる」

「……」

「そんなおばさんでも、あなたみたいな若い子に需要あるなんて、嬉しいわよ」

 秋は蟻地獄に囚われていくような感覚に陥った。もう、後戻りは出来ないとこの時秋は悟ったのである。


【つづく】

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