ネイトは今日も、セレフィーナのもとへやってきた。
淡い風の香りに春が混じり始めた頃、ふたりは小高い丘の上、色とりどりの花が咲き誇る草原に寝転んでいた。
柔らかな桜の花びらが、風に乗って舞い降りる。
ネイトの白銀の髪の毛の上にも、セレフィーナの胸元にも、ひとひらふたひらと。
セレフィーナはふと、隣に横たわるネイトの顔を見つめた。
長い旅路を刻んだ空色のまなざしが、今はただ、自分ひとりを映している。
「ネイト、綺麗な瞳…」
「…そんなに見つめられると、恥ずかしいです…」
ネイトは彼女の頬に手を伸ばし、そっと撫でる。
その指は、まるでガラス細工を触るように震えていて、それでも止まることなく、彼女の薄紅色の唇へと導かれた。
「…んっ…チュ……チュッ…」
彼女は目を閉じて、ネイトのキスを受け入れた。
ふわりと重なるだけの優しいキス。それが、二度、三度。
どちらかの熱か分からないくらいに、絡み合うふたりの舌。
ーー彼女の隣にいるだけで、胸がいっぱいになるのに。
桜の花びらが舞い降りるたび、セレフィーナの白い肌が霞のように淡く輝いて、神聖で、それに触れるのはまるで罪のようで。それでも僕はー。
ふいにネイトの体がほんの少し彼女に重なった。
細い腕の下にあるセレフィーナの腰に、躊躇いがちな温もりが触れた。
「……セレフィーナ」
名前を呼ぶだけで、喉が乾いた。
こんなにも愛おしくて、どうしていいかわからない。
触れた彼女の頬は柔らかくて、あまりに温かくて。
指先が震えてしまうのは、彼女が怖いからではない。
――壊してしまいそうで、怖いのだ。
唇が触れたとき、世界が静かになった気がした。
彼女の吐息が自分を受け入れてくれたことに、心が溶けていく。
トクン、とセレフィーナの心臓が跳ねた。
ネイトの眼差しが何かを求めているように感じて、思わず小さく笑う。
「……ネイト、もしかして……私に触ってみたいの?」
その声音は、悪戯でも誘惑でもなかった。
ただ、まっすぐで――無垢な好奇心に満ちていた。
ネイトは一瞬、凍ったように動きを止めた。
そして、顔がじわじわと赤く染まっていく。
「ぼ、僕は……その……いや、違うわけじゃ……っ」
“ダメだ……触れたくて仕方ないのに、怖がらせたくない”
ネイトの中で、理性と本能が静かにぶつかり合っていた。
「ふふ……どうしたの。……気になるんでしょう?」
「……本当に、いいんですか?」
「だって、ずっと、私を見てるから…」
囁く声には、欲望と優しさが同居していた。
セレフィーナは頷くと、瞼を閉じて、ネイトに身を預ける。
ネイトの指先が、花びらをなぞるように彼女の頬から首筋へと滑り落ちた。そして、彼女の膨らみが露わになる。
ふたりの呼吸が熱を帯び始め、空気を満たしていく――
「そこ…変…じゃない?」
「すごく…綺麗ですよ…」
セレフィーナの問いかけに、ネイトの喉がかすかに鳴る。
彼は顔を背けようとしたが、セレフィーナがそっと彼の手をとめた。
「……ネイト、わたし、あなたに応えたいの」
小さな声が、春風のようにネイトの胸に吹き込む。
その言葉に背中を押されるように、ネイトはふたたび彼女を見つめ、震える指先を彼女の鎖骨のあたりに這わせた。
「こんなに繊細なのに……僕だけが触れていいなんて……」
ネイトの囁きは、震えるほど甘く、
唇がふれるたびに、セレフィーナの肌が艶やかに染まっていく。
胸元にキスが落ちるたび、セレフィーナの指先がネイトの背をつかむ。
吐息が漏れるたびに、空気はじわじわと熱を帯び、
花々の香りに混じって、ふたりの体温が絡み合っていった。
肌が触れ合った瞬間、互いの呼吸が浅くなる。
セレフィーナの頬が火照り、ネイトの心臓が早鐘のように鳴る。
彼はゆっくりと身を寄せ、セレフィーナの耳元に顔を寄せて囁いた。
「セレフィーナ……本当に、いいの……?」
「……うん。ネイトに触れられるの……嫌じゃない……」
彼女の声は震えていたが、瞳は逃げなかった。
そのまっすぐな気持ちに、ネイトは口づけを深める。
桜の花びらがふたりの上に降り積もるなか、
ネイトの指は、セレフィーナの衣のすそを掬い上げ――
「……っ」
セレフィーナが小さく息を呑んだ。
ネイトの手は彼女の柔らかな肌をなぞり、震えながら膨らみの先端に触れた。
「ネイト、そこ……っ、なんだか、変な感じ……」
彼女の体がぴくりと反応する。
ネイトの手はとまどいながらも、愛おしそうに細やかな膨らみを撫でる。
セレフィーナの胸が上下し、吐息が熱を帯びていく。
ーー甘い香りがする
「……もっと、触れても……いいですか?」
ネイトの問いに、セレフィーナはゆっくりと頷いた。
ネイトの指が触れた瞬間、彼女の肌が静電気のようにビリビリと反応した。指先が滑るたびに、まるで火花が散るかのように、彼女の心臓は速くなる。
ネイトの指がセレフィーナの膨らみの先端をそっと撫でたとき、
彼女の身体がふるりと震えた。
「っ……ネイト……それ、くすぐったい」
吐息の合間にこぼれる言葉に、ネイトの胸が熱くなる。
彼女の反応すべてが愛おしく、無垢なその戸惑いが、
彼の理性をぎりぎりのところで繋ぎとめていた。
セレフィーナの手が、ネイトの胸元に触れ、やがて服の隙間からそっと忍び込む。
「…私も、ネイトに触れてみたい」
その細く白い指先が、彼の肌にふれる。ドクン、とネイトの鼓動が跳ねた。
「……セレフィーナ、そんなことされたら……抑えられなくなる」
「どういうこと……?」
セレフィーナがネイトの身体をなぞる度に、彼の先端は熱を浴び始める。
「…ッ…セレフィーナ、僕は、君が欲しくてたまらない…」
「…私も…ネイトと…この先を感じてみたい」
その言葉が引き金になった。
ネイトはセレフィーナをそっと押し倒し、
花びらの絨毯の上に、その華奢な身体をゆだねさせる。
ふたりの影がゆっくりと重なり、唇が何度も触れ合うたび、熱が高まっていく。
彼の指先が、セレフィーナの衣を解き、
少女から大人になりかけの、罪の果実のような肌が露わになる。ネイトは一瞬、息を呑んだ。
「セレフィーナ、とても、綺麗ですよ。」
「…そんなに見られると、恥ずかしい…」
ネイトの口づけが、その白い内股にそっと触れたとき、
セレフィーナの身体が跳ねた。
「……んっ、あっ……ネイト、それ……」
内股から、脚の付け根と、順を追って口付けを落とす。
彼女の瞳がとろりと潤み、脚が自然と閉じそうになる。
まだ誰も触れたことのない場所に、極限まで優しく、
けれど確かに――愛しさをこめて。
「……っ!」
身体が小さく跳ねる。
セレフィーナの唇からこぼれた声は、風鈴のように震え、
ふたりの間の空気をよりいっそう甘く染めていった。
けれどネイトは彼女を見つめながら、震える声で囁いた。
「セレフィーナ……大丈夫、優しくします…。怖がらなくていい」
彼の手が肌に触れるたび、セレフィーナの心は揺れた。『こんなこと、していいのだろうか?』と心の中で迷うけれど、ネイトの目を見ると、怖くなくなった。
そして、ネイトの手がさらに奥へと進み、
彼女の秘められた場所へと触れ――
「……んぁ!!」
初めての感覚に、セレフィーナの背筋が反り、
唇から甘い声が漏れた。
身体の奥から熱いものが込み上げてきて、
彼女はもう、自分の感覚を止められない。
「ネイト……ここ、変なの……」
彼女の声に応えるように、
ネイトはゆっくりと、慎重に――桃色の膨らみを舌で刺激していく。
セレフィーナの白い脚をつたうように、甘い蜜が零れ落ちる。それを感じたネイト自身も深い熱が込み上げてくる。
「ひぁっ、あっ。」
セレフィーナの呼吸が荒くなると、彼の指がさらに深く、ゆっくりと滑り込んでいった。
肌が触れ合うたびに、二人の間にある温もりが広がり、まるで心がひとつになったような気がした。
ふたりの身体が重なり、
触れ合うたびに、世界は溶けていく。
花びらが舞うその瞬間、
ふたりは確かに、心も身体も結ばれようとしていた。