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第17話 白い肌に降る花

ネイトは今日も、セレフィーナのもとへやってきた。

淡い風の香りに春が混じり始めた頃、ふたりは小高い丘の上、色とりどりの花が咲き誇る草原に寝転んでいた。


柔らかな桜の花びらが、風に乗って舞い降りる。

ネイトの白銀の髪の毛の上にも、セレフィーナの胸元にも、ひとひらふたひらと。


セレフィーナはふと、隣に横たわるネイトの顔を見つめた。

長い旅路を刻んだ空色のまなざしが、今はただ、自分ひとりを映している。


「ネイト、綺麗な瞳…」


「…そんなに見つめられると、恥ずかしいです…」


ネイトは彼女の頬に手を伸ばし、そっと撫でる。

その指は、まるでガラス細工を触るように震えていて、それでも止まることなく、彼女の薄紅色の唇へと導かれた。


「…んっ…チュ……チュッ…」


彼女は目を閉じて、ネイトのキスを受け入れた。

ふわりと重なるだけの優しいキス。それが、二度、三度。


どちらかの熱か分からないくらいに、絡み合うふたりの舌。


ーー彼女の隣にいるだけで、胸がいっぱいになるのに。

桜の花びらが舞い降りるたび、セレフィーナの白い肌が霞のように淡く輝いて、神聖で、それに触れるのはまるで罪のようで。それでも僕はー。


ふいにネイトの体がほんの少し彼女に重なった。

細い腕の下にあるセレフィーナの腰に、躊躇いがちな温もりが触れた。


「……セレフィーナ」


名前を呼ぶだけで、喉が乾いた。

こんなにも愛おしくて、どうしていいかわからない。


触れた彼女の頬は柔らかくて、あまりに温かくて。

指先が震えてしまうのは、彼女が怖いからではない。

――壊してしまいそうで、怖いのだ。


唇が触れたとき、世界が静かになった気がした。

彼女の吐息が自分を受け入れてくれたことに、心が溶けていく。


トクン、とセレフィーナの心臓が跳ねた。

ネイトの眼差しが何かを求めているように感じて、思わず小さく笑う。


「……ネイト、もしかして……私に触ってみたいの?」


その声音は、悪戯でも誘惑でもなかった。

ただ、まっすぐで――無垢な好奇心に満ちていた。


ネイトは一瞬、凍ったように動きを止めた。

そして、顔がじわじわと赤く染まっていく。


「ぼ、僕は……その……いや、違うわけじゃ……っ」


“ダメだ……触れたくて仕方ないのに、怖がらせたくない”

ネイトの中で、理性と本能が静かにぶつかり合っていた。


「ふふ……どうしたの。……気になるんでしょう?」


「……本当に、いいんですか?」


「だって、ずっと、私を見てるから…」


囁く声には、欲望と優しさが同居していた。

セレフィーナは頷くと、瞼を閉じて、ネイトに身を預ける。


ネイトの指先が、花びらをなぞるように彼女の頬から首筋へと滑り落ちた。そして、彼女の膨らみが露わになる。

ふたりの呼吸が熱を帯び始め、空気を満たしていく――


「そこ…変…じゃない?」


「すごく…綺麗ですよ…」


セレフィーナの問いかけに、ネイトの喉がかすかに鳴る。

彼は顔を背けようとしたが、セレフィーナがそっと彼の手をとめた。


「……ネイト、わたし、あなたに応えたいの」


小さな声が、春風のようにネイトの胸に吹き込む。

その言葉に背中を押されるように、ネイトはふたたび彼女を見つめ、震える指先を彼女の鎖骨のあたりに這わせた。


「こんなに繊細なのに……僕だけが触れていいなんて……」


ネイトの囁きは、震えるほど甘く、

唇がふれるたびに、セレフィーナの肌が艶やかに染まっていく。


胸元にキスが落ちるたび、セレフィーナの指先がネイトの背をつかむ。

吐息が漏れるたびに、空気はじわじわと熱を帯び、

花々の香りに混じって、ふたりの体温が絡み合っていった。


肌が触れ合った瞬間、互いの呼吸が浅くなる。

セレフィーナの頬が火照り、ネイトの心臓が早鐘のように鳴る。


彼はゆっくりと身を寄せ、セレフィーナの耳元に顔を寄せて囁いた。


「セレフィーナ……本当に、いいの……?」


「……うん。ネイトに触れられるの……嫌じゃない……」


彼女の声は震えていたが、瞳は逃げなかった。

そのまっすぐな気持ちに、ネイトは口づけを深める。


桜の花びらがふたりの上に降り積もるなか、

ネイトの指は、セレフィーナの衣のすそを掬い上げ――


「……っ」


セレフィーナが小さく息を呑んだ。

ネイトの手は彼女の柔らかな肌をなぞり、震えながら膨らみの先端に触れた。


「ネイト、そこ……っ、なんだか、変な感じ……」


彼女の体がぴくりと反応する。

ネイトの手はとまどいながらも、愛おしそうに細やかな膨らみを撫でる。

セレフィーナの胸が上下し、吐息が熱を帯びていく。


ーー甘い香りがする


「……もっと、触れても……いいですか?」


ネイトの問いに、セレフィーナはゆっくりと頷いた。


ネイトの指が触れた瞬間、彼女の肌が静電気のようにビリビリと反応した。指先が滑るたびに、まるで火花が散るかのように、彼女の心臓は速くなる。


ネイトの指がセレフィーナの膨らみの先端をそっと撫でたとき、

彼女の身体がふるりと震えた。


「っ……ネイト……それ、くすぐったい」


吐息の合間にこぼれる言葉に、ネイトの胸が熱くなる。

彼女の反応すべてが愛おしく、無垢なその戸惑いが、

彼の理性をぎりぎりのところで繋ぎとめていた。


セレフィーナの手が、ネイトの胸元に触れ、やがて服の隙間からそっと忍び込む。


「…私も、ネイトに触れてみたい」


その細く白い指先が、彼の肌にふれる。ドクン、とネイトの鼓動が跳ねた。


「……セレフィーナ、そんなことされたら……抑えられなくなる」


「どういうこと……?」


セレフィーナがネイトの身体をなぞる度に、彼の先端は熱を浴び始める。


「…ッ…セレフィーナ、僕は、君が欲しくてたまらない…」


「…私も…ネイトと…この先を感じてみたい」


その言葉が引き金になった。


ネイトはセレフィーナをそっと押し倒し、

花びらの絨毯の上に、その華奢な身体をゆだねさせる。

ふたりの影がゆっくりと重なり、唇が何度も触れ合うたび、熱が高まっていく。


彼の指先が、セレフィーナの衣を解き、

少女から大人になりかけの、罪の果実のような肌が露わになる。ネイトは一瞬、息を呑んだ。


「セレフィーナ、とても、綺麗ですよ。」


「…そんなに見られると、恥ずかしい…」


ネイトの口づけが、その白い内股にそっと触れたとき、

セレフィーナの身体が跳ねた。


「……んっ、あっ……ネイト、それ……」


内股から、脚の付け根と、順を追って口付けを落とす。

彼女の瞳がとろりと潤み、脚が自然と閉じそうになる。


まだ誰も触れたことのない場所に、極限まで優しく、

けれど確かに――愛しさをこめて。


「……っ!」


身体が小さく跳ねる。

セレフィーナの唇からこぼれた声は、風鈴のように震え、

ふたりの間の空気をよりいっそう甘く染めていった。


けれどネイトは彼女を見つめながら、震える声で囁いた。


「セレフィーナ……大丈夫、優しくします…。怖がらなくていい」


彼の手が肌に触れるたび、セレフィーナの心は揺れた。『こんなこと、していいのだろうか?』と心の中で迷うけれど、ネイトの目を見ると、怖くなくなった。


そして、ネイトの手がさらに奥へと進み、

彼女の秘められた場所へと触れ――


「……んぁ!!」


初めての感覚に、セレフィーナの背筋が反り、

唇から甘い声が漏れた。

身体の奥から熱いものが込み上げてきて、

彼女はもう、自分の感覚を止められない。


「ネイト……ここ、変なの……」


彼女の声に応えるように、

ネイトはゆっくりと、慎重に――桃色の膨らみを舌で刺激していく。


セレフィーナの白い脚をつたうように、甘い蜜が零れ落ちる。それを感じたネイト自身も深い熱が込み上げてくる。


「ひぁっ、あっ。」


セレフィーナの呼吸が荒くなると、彼の指がさらに深く、ゆっくりと滑り込んでいった。

肌が触れ合うたびに、二人の間にある温もりが広がり、まるで心がひとつになったような気がした。


ふたりの身体が重なり、

触れ合うたびに、世界は溶けていく。


花びらが舞うその瞬間、

ふたりは確かに、心も身体も結ばれようとしていた。


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