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第4話 父にはバレバレ

 その夜、僕は無料で神山詩織をラブホテルで夢中になって抱いた。彼女は卑猥な声を出している。 明日僕は仕事が休み。詩織もさっき訊いたら休みのようだ。だから今夜は泊まりにすることにした。僕は訊いてみた。

「詩織は僕のこと、どう思ってる?」

 彼女は僕の顔を見た。そして、こう言った。

「セックスフレンドだと思ってる」

 確かにそうだろう。でも、僕が訊きたいのはそういうことじゃない。

「いや、恋愛感情があるか、ということだよ」

 すると詩織は、

「ああ、そういうことね。あたしはそういう気持ちはないよ。気持ち良くさせてもらい、なおかつ、お小遣いも貰えるよき友達と思ってるよ」

 なるほどな。

 その時だ。僕のスマホが鳴った。相手は父からだ。

「もしもし」

『お前、今どこにいるんだ?』

 あ、言っておくの忘れていた。今のところ、父と二人暮らし。母は父と離婚していてどこにいるかわからない。正社員になったら、一人暮らしをしようと考えている。そしたら、こうやって父から電話がくることもなくなるだろう。

「友達の家にいるよ」

 僕は嘘をついた。そりゃあ、本当のことを言えるわけがない。言っても怒られはしないと思うが、恥ずかしい。

『今夜は帰って来ないのか?』

「うん、泊まるわ。だから、僕の分の夕食はいらないよ」

『そうか、わかった。女のところにいるんだろ?』

 なぜ、わかるんだ。さすがだ。

「まあ、そんなとこ」

『だよな! ガハハハッ!』

 と父は大きな声をあげて笑っていた。それから、

『まあ、ゆっくり楽しんでこい』

 そう言って電話をきった。 僕は詩織に今の話しをした。

「今の電話、父さんなんだけど、女と会ってるんだろ、ゆっくりしてこい、って言ってもいないのにバレバレだわ」

「さすが、お父さんね。だてにあなたの親をやっているわけじゃないわ。でも、恥ずかしがることはないよ。もうバレてるんだから」 言いながら詩織も笑っていた。僕は恥ずかしいと思う。いくら隠してもバレてしまう。父の方が一枚上手だ。そう思うと、僕はやりたい放題していいんだ、よし、もう一回詩織を抱こう、と思った。「詩織、ベッドに行こう」

「うん、もう一回するの?」

「ああ、バレてるならやりたい放題だと思ってね」

「まあ、確かに」

 ベッドに移って僕は詩織に口づけた。舌を入れ、深く深く彼女の唾液がなくなるんじゃないかと思うくらい、舌を絡め、唾液を吸った。それを僕は飲みこんだ。さらさらした唾液だ。 僕はもう一回、詩織を抱いた。何度抱いても気持ちがいい。

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