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第8話 後輩と遊ぶ

 次の日。僕は今日仕事。でも、十九時から前谷くんと遊ぶ予定。何しようかな。まだ、考えていなかった。漫画喫茶に行こうかな。一応、彼にも訊いてみよう。僕はメールを送った。

<今日の遊ぶ場所だけど、漫画喫茶でもいい?>

 今の時刻は八時。前谷くんは車の整備士をしているんだけど、何時に仕事開始なんだろう? わからない。まあ、お昼休みの時にでもメールがくるだろう。そう思いながら、仕事に行く支度をしていた。


 今日も昨日のように品出しを少しした後、発注を開始した。慣れるまでは店長に数量を確認してもらうことになっている。僕が担当している売り場はパンと冷凍食品。慣れるまでは少しづつやる。それ以外の売り場は減っているところがあれば店長が発注する。


 今日は天気が良いから店舗の窓ガラスをワイパーで綺麗に掃除するよう店長に言われている。こういう仕事はパートさんにやってもらう。二十歳の女性で石山恵いしやまめぐみという名のパートさんがいるから彼女にやってもらおう。恵ちゃんは高校一年生の頃からここのコンビニでバイトをしている。卒業しても、まだ続けている。勤続年数は五年くらいだと思う。なぜ、普通に就職しないのか。訊いたこともないけれど。僕は早速声を掛けに行った。

「恵ちゃん。今から外の窓ガラス、ワイパーで掃除してくれない?」

「はい、いいですよ。わかりました」

 この子は素直に言うことを聞いてくれるから助かる。 彼女はテキパキと動き準備している。さすが、若いから動きも素早い。でも、窓ガラスを掃除している時は丁寧にやっているので、少し他のパートさんより時間がかかっている。でも、焦る必要はない。だから、そのまま続けてもらう。逆に言うと、他のパートさんが丁寧にやっていないように感じる。


 十八時になり、僕は帰る支度をした。店長は、

「お、六時だな。お疲れさん。新沼くんが正社員の仕事に慣れたら今度呑みに連れてってやるよ」

 と言われたので、嬉しくなり、

「ほんとですか!? よろしくお願いします。頑張って慣れないと」

 僕はそう言った。

「まあ、焦る必要はない。徐々にでいいぞ」

 店長は優しい。なので、

「ありがとうございます!」

 お礼を言った。

「いやいや、焦らせて失敗されるよりも全然良いからな」

 僕は笑みを浮かべている。そして、

「では、失礼します」

「おう。お疲れさん」


 帰宅したら前谷くんと遊ぶから支度しないと。 家に着いて母がキッチンにいたので声を掛けた。

「今日、夕ご飯いらないから」

「そうなの? もっと早く言いなさいよ。作ってるんだから。どこかに出掛けるの?」

「うん、前谷くんと遊ぶ」

「そうなんだ。わかったよ」

 母と話してからシャワーを浴びるために下着を用意した。僕はシャワーを浴びてから着替えた。ブルージーンズと、赤いTシャツに。ジーンズのポケットに財布と、スマホを入れ、車の鍵を持って家を後にした。

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