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15

じっとりとした液体が、ぽたぽたと私の首筋に垂れてくる。

気持ち悪い。

でも、目を開けることもできないし、手も動かせない。この粘ついた不快感は、

まるで無数の蟻が心を噛み砕くような拷問だった。

――いっそ、壁に頭を打ちつけて死にたい。

もし身体が自由に動いたなら、きっと私は迷わずそうしていた。どれくらい時間が経ったのかもわからない。

突然、重たい身体が私の上に倒れ込んできた。

苦しくて、息ができない。

胸が押し潰されそうで、全身が嫌悪感に包まれた。そのとき――

「時川様! 時川様、どうなさったんですか!?」

「早く! 医師を呼んで! 時川様が……気を失ってます!」誰かが慌てて駆け込んできた。

そして、私の上に覆いかぶさっていた人が、やっと引き剥がされた。……息が、できた。

私は、ようやくひと息ついた。


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