じっとりとした液体が、ぽたぽたと私の首筋に垂れてくる。
気持ち悪い。
でも、目を開けることもできないし、手も動かせない。この粘ついた不快感は、
まるで無数の蟻が心を噛み砕くような拷問だった。
――いっそ、壁に頭を打ちつけて死にたい。
もし身体が自由に動いたなら、きっと私は迷わずそうしていた。どれくらい時間が経ったのかもわからない。
突然、重たい身体が私の上に倒れ込んできた。
苦しくて、息ができない。
胸が押し潰されそうで、全身が嫌悪感に包まれた。そのとき――
「時川様! 時川様、どうなさったんですか!?」
「早く! 医師を呼んで! 時川様が……気を失ってます!」誰かが慌てて駆け込んできた。
そして、私の上に覆いかぶさっていた人が、やっと引き剥がされた。……息が、できた。
私は、ようやくひと息ついた。