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第52話 【抗議文】読売テレビ「ミヤネ屋」に対して


 2025年7月29日放送の読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」において、精神疾患せいしんしっかんゆうする者への差別を助長じょちょうしかねない放送がおこなわれたことが確認されたため、ここに抗議する。


 同番組では、茨城県水戸市内で発生した殺人未遂事件について報道をおこなった。

 その際、身柄を押さえられた被疑者(いわゆる容疑者)が「支離滅裂しりめつれつなことを述べている」などと表現をおこない、精神鑑定せいしんかんていについて言及げんきゅうした。


 同番組の司会をつとめる宮根誠司氏の口ぶりによると、あたかも精神鑑定次第では被疑者が世間に野放しにされるかのような印象を視聴者に与え、視聴者が精神疾患を有する者への偏見へんけんを持つことを、助長しかねないものであった。


 しかしながら、日本国においては、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(いわゆる医療観察法)という法律が現に存在し、精神鑑定で仮に責任能力が無かったとしても、本事案の被疑者がただちに世間に野放しになるなど、ありえないことである。


 いたずらに視聴者をあおり、精神疾患を有する者への恐怖感を植え付けようとする今般の報道は、明らかに放送倫理違反である。


 ミヤネ屋は、視聴者に誤解を与えかねない放送を行なったことを真摯しんしに反省し、今後「精神鑑定」を扱う場合には、「医療観察法」の存在についてもあわせて言及するべきである、とここに抗議する。



 令和七年七月三十日

 四森



 ※水戸市内の殺人未遂事件で被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

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