『ねえ、かじかは
帰り道のカフェで、お茶をしていたメイが、カップを持ってかじかを
その目は
『友達だよ。仲の良い、男の子の。』
『ふうん。』
『好きなの?』
『何でそんな
『ゴホッ、違う。ゴホッ・・・メイが変なこと聞くから。』
『変?でも学校だと皆、
そう言われて、ますます
『ほら、落ち着いて。まあ、そんなに困っちゃうならそうじゃないんだろうね。かじか・・・元彼のこと、引きずってんの?』
グラスの水を一口飲んで、かじかは顔を上げた。
『元彼?全然。』
そういえば、言われるまで思い出すこともなかった。
送り
『フフ、そっか。ねえ、かじか。』
『うん?』
『
メイはふわっと
『・・・そうだね、優しいかな。』
『じゃあ、大事にすべきだよ。・・・友達でもね。』
『・・・そう、だね。』
『あ、彼氏だ。なんかお休みになったみたい。』
メイの顔が少し嬉しそうに
『行っておいで。せっかく連絡してくれたんでしょ?』
『うん。行ってくる。かじかも頑張ってね。』
メイは鞄を持つと足早にカフェを出て行った。
今、
少し進んだところで振り返り、大きく手を振るメイ。
かじかが女でも、メイは可愛い。
かじかは
『聞いてる?』
今日は海の撮影。暖かい砂浜に座り込んでいたせいで、気持ちよくなっていたようだ。
『ごめん・・・何?』
『・・・もういい。で、何か悩み事でもあんの?』
『うん?そんなことはないけど。』
『・・・お前、顔に出やすいからさ。俺でよければ聞くよ?』
『顔に出てた?』
かじかが片手で頬に触れると、
『うん。ま、言いたくないなら、いいけどさ。』
『ごめん。あ、で、どんなの撮れたの?』
視線を
『ああ、見る?かなり綺麗なの撮れた。』
美しい色合いが、小さな画面に
『うわあ、凄い綺麗。才能あるなあ・・・。』
『まあね。賞も取れちゃうほどだから。』
『自分で言う?・・・でも凄いな・・・かっこいい。』
素直に出た言葉だったけど、
視線が合うと彼の顔が赤くなった。
『うん?』
『あ・・・いや。なんか・・・
『言われ
『
『そっか。』
目の前の、いつも
それが面白くて、つい声に出して笑ってしまった。
『可愛いとこ、あんだね?』
かじかの言葉に、
『どうしたの?』
『まじかよ・・・。』
『うん?』
『なんでもない。もう少し撮ってくる。』
カメラを
なんだか悪いことを言った気になったけど、彼の赤い顔を見れたのでいいかと、かじかはほくそ笑んだ。