【side
あり得ないと思っていた光景が、目の前で繰り広げられていた。
順平の……、デカい……やっぱりデカい。
"あたしの好きな男"と、"あたしの好きな女の子"が嬉しそうに睦み合っている。
それは普段の行為とは比較にならない、背徳的で未経験の快感だった。
そんな顔を見せつけられ、あたしの脳裏に惨めさと嬉しさが同居したゾクゾクした電流が駆け抜けて全身を満たした。
それと反対の、順平に奪われた事に対する喜びが確かにあった。
順平のデッカい身体が、女を支配している。その姿は頼もしく、雄々しく、私のメスを疼かせた。
その事実があたしをますます興奮させた。
自分の性癖がこんなにも
自分がなんでこんな性癖を持っているのか、きっと順平が好きすぎたことが原因なんだろうなぁ……。
自分のルーツをなんと無しに思い出しながら、絶頂の衝撃で意識は遠のいていった。
◇◇◇◇◇
「んあ……?」
「あ、目が覚めた、
「
後頭部に感じる柔らかい感触は
これまで何度も感じて来た安心感のある巨大な母性に自然と手を伸ばす。
しかし、あたしの手を
「ごめんね
ゾクゾクッ……。
つま先がベッドのシーツにギシッと食い込んで再び股間に手を伸ばしそうになる。
「ごめんね、冗談だから」
あたしは相当に酷い顔をしているのだろう。優しい声色の
柔らかな感触が顔を包んでくれ、あたしの心が安らぎに包まれる。
「
「うん、よしよしだよ……順平ちゃん、
あたしの視界の端っこで
いつもの
あたしは精神的に不安定になったとき、よくこうして
初めはカップル同士のじゃれ合いみたいな感じだったのだが、
「なるほど、姉ちゃんは存外甘えん坊だったんだな。いいぞ
「うん。ありがとう」
そう言って
あたしは甘い匂いを錯覚しながらいつものように口に含み、赤ん坊のように音を立てて吸った。
心の中に満たされていく大きな母性による安らぎで、
「こうしてみると本当に赤ちゃんみたいだ」
弟がからかってくるが、今はそれに応えている余裕はなかった。
倒錯的な快感絶頂で意識がぼんやりしており、あたしは本当に赤ん坊になった気持ちで
「こはるん……愛してる……」
「……うん、私も愛してるよ
優しく髪を撫でてくれる
「じゅんぺー」
「どうした姉ちゃん」
「抱っこして」
「分かった」
いつもなら言わない台詞を、こんな状態だと言ってしまう。
そして順平はそれを優しい声で受け入れてくれた。
だけどあたしと順平の体格差だと子供が抱っこをおねだりしているようだ。
実際その通りなんだけど……。
大きな胸板。温かい体温。太くて硬く、たくましい腕に包まれる。
戦えばあたしの方が強いけど、きっと単純な力は圧倒的に負ける。
それがとても心地良かった。
順平の大きな身体が好きだ。こいつの身長がぐんぐん伸び始めた頃から、徐々に男として意識するようになったのを思い出しながら、しばらく抱き締め続けた。
順平もあたしに応えて抱き締め返してくれる。
「順平ちゃん、私も抱っこしていい?」
「ん? いいけど」
そう言ってあたしを
大ボリュームの柔らかい感触が背中にくっ付き、あたしは順平の逞しさと
幸せが心の中をいっぱいにしてくれる。
「
「
「姉ちゃん。
「うん……色々隠してごめん……」
「いいさ。色々考えての行動だったんだろ? 全部聞くのはこの合宿が終わってからでいい。今はこの状況を楽しもうか」
「うん……」
「
「うん♡」
言葉少ない順平の指示に、
「お前ら、本当にツーカーの仲なんだな……」
しみじみとそんな言葉が出てきてしまう。あたしには今のやり取りで何が通じ合ったのか分からなかったが、
「このまま姉ちゃんを挟んで
そう言って、あたしの身体を反転させて
「こ、
「
あたしの中に再び電撃のような興奮が膨れ上がったのが分かった。