目次
ブックマーク
応援する
6
コメント
シェア
通報

4月20日

4月20日


 絵は昔から得意で、そろそろマンガ家になりたくて作品を作り始めていた。


 旅の最中は書けないけど、家に帰れるから毎日少しずつ描き進んでる。


 私は瞬間移動魔法が使えるので、毎日実家に帰ってお母さんの手料理を食べて、おじいちゃんにお小遣い(年金)貰って、マンガを描いてゲームをして、家のフカフカのベッドで寝る。


 ペットたちは普段は馬車で寝泊まりさせて、町についたらベッドが1個しかない狭いシングルに3人を泊めさせる。


 最初は譲り合いとかジャンケンで誰がベッドに寝るか決めてたようだったけど、最近じゃ交代で寝ることにしたらしい。


 カレキが「歳なんで寝る時はちゃんと柔らかいベッドじゃないと腰が…」とか言ってたんで、回復魔法で持病を含めて全快にしてやったら、感謝するどころか舌打ちしてきたんで、ついうっかりビンタした。


 「え? ウソ…」「この年齢でビンタされるのは初めて…」みたいな事を言ってたんで、「処女卒業だね。おめでとう」と返したら、なんか涙ぐんでた。うん。いいことをした後は気持ちがいい。


 しかし、なんか最近は3人でコソコソと話してることが多い。


 朝、瞬間移動魔法で馬車に戻ると、なんか気まずそうに話を止める……そんな光景を何度も目にする。


 ひどくね?


 私、勇者なのに。


 ブータロウに相談したら、「あー、その、ボクごときでは勇者様のお悩みは荷が重すぎるかも」とか言い出したんで、「重いのはお前の腹だろ。蹴るぞ」と言ったら、泣きながら謝ってきた。


 まだ蹴ってないんだからそんな反応されても……でも、泣き顔はやっぱりツボにハマる。


 で、蹴ったら「オゴゴゴッ! な、なんでぇ〜!?」と蹲って泣いていた。


 私だけ除け者にするのが悪いから仕方がない。


 仲間なのに……。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?