4月28日
全員を馬車に集めた。
得意気な顔をしているワニンゴ。
不安そうにキョロキョロしているブータロウ。
心底悪そうなニヤリ顔をしているカレキ。
固唾を呑んで、私の言葉を待っている。
「これから1ヶ月、お前らにはオ●禁を命ずる!」
私の宣言に、3人は固まって「は?」という顔をしていた。
ここからは、こんこんとお説教タイムだ。
私は王様から正式に選ばれた勇者。魔王を倒すという重大な使命があり、命がけで討伐しようとしている、これは大変かつ最も大事な任務であるということをまず説明する。
3人はやっぱりピンと来なかったみたいで、「それ、当たり前の話では? 自分たちもそういう覚悟です」という顔をしていた。
私は懐から、3枚の写真を取り出してそれぞれに渡す。
3人はそれを見て、サーッと青い顔した。
「勇者である私をオカズにしている不届き者がいる!」
それは、
ワニンゴが、ピンクのブラを片手に
ブータロウが、黒いパンティを片手に
カレキが、白いハイソックスを片手に
慰めている写真だった。
もちろん、3つの“オカズ”は私が馬車に用意したものだ。
馬車にあることから、私の物だと思い込んだみたいだけど、実は風俗街のゴミ箱に捨てられていたのをトングバサミを使って回収してきたものだ。
そして、ダメ押しでこう言う。
ワニンゴは、私を自分の女だと言って調子ぶっこいているクソ男である点と、年端もいかない少女とちょっとデートしただけで興奮した変態である点を。
ブータロウは、仲間がそんな状態なのに注意もせず、妻子を持つ身でありながら、年端もいかない少女に興奮した変態である点を。
カレキは、仲間を平気で売り渡し、いい年齢してながら、年端もいかない少女に興奮した変態である点を。
ここぞとばかりに強調して言ったら、さめざめと3人は泣き始めた。
「こんな変態ばかりのパーティーで、本当に魔王が倒せるかよ! 泣きたいのはこっちだよ!」
と、言う私のセリフで、彼らは深い自己嫌悪に陥ったようだった。
よし。計画通りだ。