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6月8日

6月8日


 ガチムチ店長は淡々と話してくれた。


 「あー」とか「えーっと」が多すぎる上、話がダラダラと長いし、聞き取りに数日を要したので下記に要約する。


 結論から言って、ガチムチ店長と副店長は愛人関係にあった。スーパーマーケットは実はスーパーマケットであり、男が支配する秘密の花園であり、こともあろうか仕事の終わりに夜な夜な2人はちちくりあっていたのだ。


 つまりガチムチ店長はスーパーを経営しながら、副店長の両胸についたコインもマネージメントし、特売のソーセージを陳列しながら、副店長の特大のソーセージも“チン列”していたというわけだ。


 そして、この前もガチムチ店長は副店長のソーセージを弄りつつ、「今日はチラシも出てないのに、チラシ(性的に)ちゃおうかな」なんてことを言いながら、全商品に汚染汁(白濁)をぶっかけていたそうだ。


 それだけでは飽き足らず、棒状のモノはほとんどすべて店長と副店長の“中”に入ったものが売られていたらしい。


 そこまで聞いて、全員がその場で嘔吐した。


 ワニンゴが「勇者よ、これ聞いて平気なのか?」とか言ってきたんで、「私はこの店の商品には一切手を触れていない」と答えた。


 そもそもこんな客から金をむしり取るようなスーパーマーケットの商品なんて、盗品にしか思えないだろ。常識で考えろ。


 余計なとこで、中断してしまった。


 話を元に戻すと、そんなラブラブな2人の関係にも最近は翳りが見えてきた。副店長は奥さんがいる上、どっかのおばさんや女子高生と浮気までしていたからだ。


 そして、男穴よりも女穴の方がよかった副店長により、「付き合いはこれまでだ」と唐突に別れを切り出されてしまったのだ。


 これに堪らないのはガチムチ店長だ。あれやこれやして副店長までしてやったのに裏切られるなんて、セール値切りより許されない行為だ。


 また、なによりも許せないのは、副店長の浮気相手だった女の夫(ブータロウ)が乗り込んで店で大暴れをしたことだ。


 あとは皆が知っての通り。怒り狂うブータロウはフルボッコされて、棺桶の中にGOだ。


 悲しい痴情のもつれが、この悲劇を生んでしまったのだ。


 悲しむガチムチ店長に、私はビンタする。


 そして言った。「ちちくりあうなら家かホテルでやれ。他人に迷惑をかけるな。商品を汚すな」、と。


 ガチムチ店長は深い後悔に涙した。


 エリマネの「なにこれー!」という哀しい叫びが、バックミュージックとして響いていた。

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