6月9日
私たちとガチムチ店長による長く辛い死闘が終わった。
ガチムチ店長はエリマネにクビを言い渡され、ただのガチムチになってしまった。
そしてスーパーマーケットの店長も勤まらないヤツに、魔王軍幹部なんて勤まるはずもない。彼は辞表を出し、田舎に戻って、AI絵師になってBL布教に努めるそうだ。
エリマネは次の
きっと明日には、無期限営業停止になるだろう。
企業として許されない行為だ。産地偽装もしている。そうだ。店長と副店長の尻を通して出たのなら、『産地』と『生産者』も『店長&副店長』とすべきだ。嘘はついちゃいけない。
ブータロウを蘇生しようと馬車に戻りかけるところで、誰かがやって来た。背の高いメガネだ。
あれ? どこかで見たような……
と、思ってたら、カラテが「シン……いや、メガネ!」と叫んだ。
メガネ? コイツが?
話を聞いてみると、どうやらメガネが小さくなってたのはあのガチムチ店長の呪いだったらしい。
よく分からないが、町中でイチャコラしているメガネとカラテを目撃したガチムチ店長が嫉妬して、『ショタとの恋愛は法的に引っ掛かるでござるの術』という恐ろしい術を使ったそうだ。
そういや私が昔に読んだBLも、ショタ〇学生とイケメソ教師ものの話だったが、スケベッティなことしたら逮捕されるってことで途中まで純愛ものを貫いていたくせに、ラストのラストでセクロスしてハッピーエンドとかいうクソみたいな話だった。
そして、いまガチムチ店長を倒したことで、メガネの呪いが解けて大人の姿に……呪いが解けたらイケメソになるのが定説なのに、メガネは……なんというか残念だった。どう言えばいいのか。これを読んでいる人は鏡を見に行って欲しい。そう。映ってるだろ? そんな感じだ。
まあ、それはともかく、メガネとカラテはビシッと抱き合う。お目々とお目々を見つめ合って……そんないい雰囲気のところで、ヒゲが「ちょっと待ったー!」とやって来た。