6月12日
ヒゲとトグロ警部の話は省略する。
要はトグロ警部は探偵のヒゲに恋しており、色々と国家権力の情報を横流ししたり、事件をでっち上げて探偵に解決させたり、殺人現場に立ち入りオケみたいな便宜を図っていたとかいうどうしようもない汚職まみれの話だったからだ。
そして、どこからかアヌス博士とかいうのが「ちょっと待ったー!」と出てきて、どうやらヒゲの気を引くためにメンズをショタにする薬を開発し、それをガチムチ店長に横流しして、それが結果としてメガネに使われ、そしてメガネをヒゲの情報を集めるためのスパイとして潜り込ませたというのが真相だったらしい。
つまり、ガチムチ店長が言っていた呪いとか術とかは大嘘だったってことで、このアヌス博士が首謀者、真の黒幕だったわけだ。
そして始まるのはヒゲの取り合い。トレンチコートのオッサンと、白衣のジイサンが、ヒゲの両袖を引っ張りあったことで、スーツが真ん中で裂けて、全裸になったヒゲが「キャア♡」とか言う、しょうもない展開を見せつけられる。
呆れ返っているメガネとカラテに、「自分のBLぐらい自分で選べ。恋は駆け引きじゃない。度胸さ。なんでも試してみろよ」と言うたら、お目々を輝かせて、「よいやっさ!」と公園のトイレに向かって、お手々を繋いで走って行った。
「さあ、もうこんなつまらない話はいい。旅に戻るぞ」とカレキと、カートリッジになったワニンゴに言う。
そのためにまずはブータロウを復活させようと思って、棺桶を開いてみたら、とんでない臭いがする。「うっ! 腐ってやがる! 遅すぎたんだ(復活させるのが)!」と、カレキが世界が終わったみたいな風に泣いた。
このまま復活させても
悩んでいると、「あのう…」と私に声を掛けてくる女の子がいた。
丸い大きなメガネ、金髪ロール……お人形さんみたいな小柄なロリっ娘に、思わず「これはBLジャンルだぞ」とビンタしそうになったが、ビンタしてばかりじゃ話が進まないから思いとどまった。
「そちの名は?」と聞いてみると、「ロリコです」と答えたんで、「そのまんまかよ。なら、明日な」と伝える。「え?」とか聞かれたんで、「仕様だ。繰り返すな。カートリッジにするぞ」と答えた。