6月14日
私たちの旅がロリコを加えて始まる。
ロリコは息巻いて「頑張りマンモス」とか言うてたけど、やることはない。馬車で教本(BL)を読みまくるだけだ。
馬車の中で生きているのは、私とロリコとカレキだけだ。
カレキは棺桶にすがって泣きじゃくっている。
ロリコが不思議そうにしていたんで、「ブータロウを愛しているんだよ」と言ったら「まあ♡」と嬉しそうに笑った。
カートリッジになったワニンゴは、中身を飛び散らせながら──
──女の子が仲間になった! 声で分かるぞ! でも“目”がないから見えねぇー! ちきしょー!──
とか騒いでいる。思念で喋るな。うるさい。
男どもはこんな感じだったから、ロリコのBL知識を試すべく、「やおいの語源は?」と聞いてみる。
「
完璧だ。
完璧で究極すぎる。
【※】……あくまで一説です。
ロリコは続けて「推しメンカプに挟まれて、セクロスするのが夢なんですぅ♡」と言った。
ん? それは違うくね?
「前から後ろから2本で……」とか語りだしたぞ。なに言ってんだコイツ? キモチワル。
は? デ●ルドに名前つけてんのか? コイツ。キモチワル。
推しカプは遠くから愛でるもんだろ。その間に腐女子が入ってどうなるってんだ。台無しだろ。
ダメだな。コイツ、私がなんとかしないと。
「あんたに本物のBLってやつを見せてやりますよ。1週間後に来て下さい」って言ったら、ロリコは困ったように「ええと、一緒に旅してるんでは?」とかとぼけたことを言いやがった。
山●✕海●の親子カップリングを知らねぇのか。まったく。