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6月18日

6月18日


 給湯室の前で、アナルゴが「困るんだよなぁ。職場まで押しかけちゃってさ〜」と言いつつ、長財布から万札を取り出して渡してくる。


 パパ活みてぇだと思ってたら、「お父さんとお母さんには内緒だぞぉ」とか言ってきたんで、やっぱりパパ活だった。


 ロリコが「イヤ! ユキチはイヤ! エイイチがいい!」とか言い出して、アナルゴは「価値は同じだから!」と説明しても、「旧札しか持ってないのオ・ジ・サ・ン♡ ざぁこざぁこ〜♡」と急にメスガキムーブをやりだした。


 私がビンタして目を覚まさせようとすると(もしくは永眠)、アナルゴが「僕の趣味でやらせてるんだ!」とか言ってきた。


 やっぱ師弟じゃないじゃん。


 ロリコが、「変な関係じゃないですぅ」とか言ってたけど、性的じゃなくても充分に変だよ。


 「本当に賢者なのか?」と聞いたら、「当たり前だ! 免許だって持ってる!」と、出した免許証を見たら2級だった。


 「1級もしくは特級じゃねぇのか」と言ったら、「1級になったら、常時、24時間365日賢者モードになって、性に対する興味を一切失い、世捨て人になるんだ」とか、「賢者だから洞穴でかすみでも食べてると思った? そんなわけないじゃん。今じゃ賢者免許持っていても食べてけなくて、こうやって一般企業で汗水たらして働いてさ」とクドクド話しだしたんで、「日記に書くことを増やすな」と怒った。


 こいつの経歴や、ロリコとの関係など、BLに関係ない話はどうでもいい。さっさと、ゾンビにならないようブータロウを生き返らせろと、「大事な仲間ペットなんだ……」と言ったら、扉を少し開けて盗み聞きしていたらしいフグリ田が「オ●ペット…ふふふ」とか笑っていたんで、ビンタして、すべての関節を逆向きに曲げてから、点検口の中に放り込んだ。


 「は? 人間を生き返らせるなんてできるわけないだろ! 医者じゃないんだぞ!」とかアナルゴが喚いたので、「話が違うじゃねえか」とビンタしようとしたら、「い、いや、生き返らせることはでききないが、ゾンビ化せずに復活する方法はあるんだよぉ!」とか言い出した。それをさっさと言え。


 方法を聞き出すと、「正統派ヒロインの涙だ!」とか言い出す。


 理屈は、「正統派ヒロインの涙は万能薬だからだ! たいていの事はそれで許される!」とかなんとか。


 ……私は勇者だし、ロリコは不純(パパ活+性的に破廉恥な腐女子)だ。


 …………うーん。なら、これは今から私が正統派ヒロインになるしかないか?

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