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6月30日

6月30日


 アナルゴとフグリ田の処分の日が来た。


 「証拠を前に」と言うと、カレキは調査資料を手渡してくる。


 「お前たちは調子こいて、ワニンゴと結託して私に復讐しようとした。まあ、これはいい」と伝えると、2人は「いいの?」という顔をした。


 私も鬼じゃない。個人的に恨みを抱いての復讐は別にいい。もしそこで私が復讐に倒されたらそれまでの話だ。


 私の推しも「所詮、この世は弱肉強食」とか言うてた。だから、私は逆●刀で敵の頭蓋を粉砕する。これでタヒんだら蘇生させて、また殴ればいい。これが私の“不殺”だ。


 「あと、カレキの調べじゃ、隠れて“貧乳勇者”だの、“幼児体型勇者”だの、“サイコパス勇者”だのと好き勝手に言ってくれたみたいだな。まあ、これもいい」と伝えると、2人は「いいの?」という顔をした。


 私も鬼じゃない。性的趣向は様々だ。子供向けアーケードゲームをやってるバカ男を、私が女子トイレに誘い、「ざぁこw  ざぁこw」と言わせ、そんな生意気な私を屈服させて、“わからせる”とかいうシーンに需要があるということも知っている。歪んだ被虐的思考があるのに、それでも弱者にマウント取りたいという、そんなバカ男の悲しい妄想に私を登場させるまでは許す。


 その代わり、現実では物言わぬ肉塊になってもらうがな。地獄の果てまで追い詰めるつもりだ。悪即肉塊だ。


 そんなことより……


 「何よりも許せないのは、私に日記のページを跨がせたことだ。あと顔がムカつく。それだけで万タヒに値する」と罪状を言い渡すと、2人は「あぼーん!」とか言うた。やはりコイツら腹立つなー。


 「何か言い残すことはあるか?」と聞くと、アナルゴが「ま、待ってくれ! フグリ田くんだけはぁ助けてやってくれい!」と、フグリ田は「あ、アナルゴくぅん!?」とか言い出した。


 「これは全部、彼の“変な頭をしたかみさん”が悪いんだ! 勇者の始末を依頼してきたのは、彼の奥さんなんだぁ!」…だって。


 ん? 私の“腐”センサーが……


 「いまさら何を言うとるんじゃ!」「師匠! モノホンのロリコンが言い訳がましいですよぉ!」とか、カレキとロリコが捲し立ててたんでビンタして止めた。


 「ど、どうして我々を……」とつぶらなお目々でアナルゴが尋ねてきたんで、「BLは命より重いからだ」と教えたら驚いていた。


 「理由を話してみろ。聞いてやる」と促したら、アナルゴとフグリ田はポツリポツリと語ろうとしたが、やっぱり明日だ。

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