7月1日
アナルゴは淡々と話してくれた。
「ちきしょう!」とか「ブルルルァ!」が多すぎる上、話がダラダラと長いんで下記に要約する。
結論から言って、アナルゴとフグリ田は愛人関係にあった。オフィスビルという閉鎖空間は、2人の秘密の花園であり、こともあろうか仕事の合間に2人はちちくりあっていたのだ。
まあ、そんなんは予想できたが、問題はこれからだ。2人は妻帯者だ。これはBLを理解できない時代錯誤なクソ会社(社会)に対し、偽装結婚をすることで適応しようとしたためだ。
アナルゴの奥さんは理解あるレズビアンで、互いにメリットがあって友情婚に至ったらしい。奥さんは殺し屋で、娘と犬も超能力者だったらしいが、そんなことはBLには関係ないので割愛する。
しかし、問題はフグリ田の奥さんだった。
資産家である
それがなんで魔王と関係あるのかと言えば、いつものように買い出し・ゴミ捨て・犬の散歩をさせられていた時、満月の晩に、奥さんが家のクスノキの上でオカリナ吹いて、でかい声で「魔王様に栄光あれ!」とか言うてたかららしい。
ちなみに奥さんの名前は、“フグリ田・ベニテング・
フグリ田が「僕の名前は……」とか言いだそうとしたんで、「お前はフグリ田でいい。私の脳にゴミのような情報を流すんじゃない!」とビンタした。
ベニテング・武子だけで今日はお腹がいっぱいだ。
そして、そのベニテング・武子はなぜかフグリ田を溺愛していた。それも、『私のモノは私のモノ。お前のモノは私のモノ』的な独占欲らしく、幸いなことにアナルゴとの関係はバレてないが、バレたら両者血祭りに上げられるのは間違いないだろう。
しかし、そのフグリ田の同僚のアナルゴが賢者であることは知っていたので、私がヤツの元に辿り着くことを予期し、フグリ田に私の始末を命じたというのが今回の真相らしい。
チッ。面倒くさいが、ブータロウ蘇生の前にそのベニテング・武子を始末する必要がありそうだな。
ブータロウの棺桶を開いて見たら白骨化していた。カレキは泣いていたが、もう少しの辛抱だ。待っててくれ。
ん? 白骨化してるなら、そのまま蘇生させればゾンビにならないんじゃね?
……ま、いっか。