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第11話 アネモス学園に入学!

     あれから2年、時が経つのは早いなぁー。俺は12歳になった。俺は小学校を卒業し、風太とまた離れることになった。

     やはり本編が始まらないと時が経つのが早い。どんどんスキップされてて、なんだか記憶に残りにくい日常だった。

     そして今日!一足先に原作に突入ー!


「 聖地巡礼っ♪聖地巡礼ー♪ 」


     俺が今日!入学するのは原作で風太が入学してゲームが始まる場所の学園だ!


     名を「 アネモス学園 」


     アネモスは風を意味する言葉だ。この世界では中学や高校が無く、小学校を卒業したら中学や高校をひとまとめにした学園というものに通うことになる。学園は6年間通うことになる。


「 うわぁー、ここが夢にまで見たアネモス学園かー。おっきいー、綺麗ー、迫力すごーい。 」


「 おはよう!陸!ほんとにすげーなここ。 」


「 おはよー。りくぅー、なつきぃー、二人とも語彙力なくなってるよー。 」


「 おはよ夏木くん、優志。優志、なんだか眠そうだね。 」


「 いやー、昨日は準備に手間取っちゃって、あはは。 」


「 しっかり寝ろよ!寝ることは大事だぞ!俺は今日もしっかり寝たぞ! 」


     嘘だな。俺にはわかる。顔色が少し悪い。あれはメイクをしているのか?顔色を隠すために、俺の目は誤魔化せない。


「 …………。 」


「 ん?どうした?陸。 」


「 なんでもないよ。夏木くんは元気なんだよね、 」


「 ……?俺は元気だぞ! 」


「 そっか、それならいいんだ。 」


     きっと、夏木くんには触れてほしくないことだと思う。このことは、風太が何とかすると思うしな。


「 早く行こー。 」


「 うん! 」


「 おう! 」







     入学式後


「 うわーん!なんで!!俺だけ離れることになるんだよォー!」


「 まあまあ、優志ならきっとうまくやれるよ。俺たちの中で一番コミュ力高いし。それに、隣の教室だから合同授業が多いし、そこまで寂しくないよ。 」


「 「陸、なんか詳しくないか? 」」


「 ちゃっちゃんと入学式の時に言ってたよ、はは……。二人が聞いてなかっただけじゃないかな。 」


     いっ言えないっっっ!言えない!!ゲームの知識なんて言えない!ゲームでは何組にするのか選べて、それに沿って関わりが多くなる攻略対象が変わるなんて言えない!


「 俺ちゃんと聞いてたと思うんだけどな? 」


「 俺寝てたー。 」


「 あはは……。 」







「 それじゃあまたなー。後で絶対合流なー! 」


「 わかったよ。頑張ってね優志。 」


「 またな!優志!また後で! 」


「 うぅぅぅぅ、離れなくなぁーい!一人寂しいよー! 」


「 はよ行け! 」


     俺は喚いている優志を送り出して、夏木くんと一緒に教室へ行く。俺と夏木くんは一年一組、優志は一年二組。


「 緊張するなぁ……。ちゃんと友達できるかな? 」


「 大丈夫だ!たとえ一人ぼっちでも、俺だけはずぅーっと!友達だからな! 」


「 夏木くんはいいよね、自分から行かなくても、相手の方からよってきてくれるんだから。 」


「 そんなことはないけどな。 」


「 そんなことはあるの! 」


     そういいながら教室のドアを開けて夏木くんが先に入る。すると、


「 キイヤア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァァァァァァ 」


「 王子様ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァァァァァァ 」


「 こっち向いてええええええええええええええ 」


「 仲良くなりたいいいいいいいいいいいいいいいい 」


「 抱いてええええええええええええええええええ 」


「 あの二人小学校で有名だった、三つの光の二人じゃない?! 」


「 私崇拝グループに入ってるわ! 」


「知ってる知ってる、太陽王子様と運命の幸せ王子様でしょ!本当に王子様みたいにかっこいいわ! 」


「 もう一人のギャップ王様は隣のクラスだって! 」


「 すごい人気ね! 」


「 そりゃそうよ!だってここにいる女の子達みーんな光観察隊に入団しているんだもの! 」


「 はあああああああ恋人になりたいっ。 」



     女子達の絶叫が響き渡った。まぁ、アレだ、黄色い歓声ってやつだよ。相変わらずすげーな。どうやら他のクラスの人も来ているみたいだ。そういや、小学校の時一緒に教室に入った時もこんな感じだったと思う。でも今よりは大人しめだったぞ、なんなら風太達が教室にいた時の方がすごい歓声だったしな、でもこれは予想外、殺人事件かなってくらいすごい叫び声。わお。


     そう思いながら俺はこっそりと夏木くんを置いてその場を離れるのだった。














     夏木くん視点


     教室のドアを開けると鼓膜が破れるかと思うほどの絶叫と熱気があった。まぁ小学校の時毎年あったことだし、もう慣れたと思ったけど、全然だった。あまりの迫力に意識が飛びかけた。そして周りを見るともう既に女子達に囲まれていた。

     めっ目が怖い、12歳でこんな思いするの俺だけなんじゃないのか!?

     はっそうだ!この場には陸がいる!あいつもとんでもない人気だ。俺に劣らず人気だぜ!さすがは陸だ!

     どうにかして女子達に囲まれながら、隙間を見つけそこから陸を探す。

     すると遠くの方で全力ダッシュしている陸が目についた。


「 おいいいいいいいいいいいいいい!俺を見捨てるなああ゙あ゙あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ" 」


     陸は速い。俺でも追いつけないほどに、一体どうやってそんなに速くなったのか知りたい。

     こうして俺は陸に犠牲にされ、女子達から逃れるのにすごく時間がかかった。


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