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第13話 遠足の準備

「 そーれでーー💢!、なんで俺を見捨てたのか、こたえてもらおうか。 」


「 いっいやー、えっと……。 」


     只今俺は正座をさせられ、夏木くんからお叱りを受けています。


「 それで!どうしてなんだ‪💢? 」


「 そっそのぉー、夏木くんなら大丈夫だと思って……。 」


「 見ての通り大丈夫じゃないんだが‪💢? 」


     夏木くんの服はしわしわになって髪もボサボサになり、顔はこの短時間で何があったんだと思うほどやつれていた。

     俺が屋上で女の子と話をしていた時、夏木くんは女子達にもみくちゃにされていた。本当に申し訳ない。もしも俺が夏木くんと同じ立場になっていたなら、きっと今の俺じゃ、耐えられないだろう。まぁ、だから逃げたんだがな。


「 えっと……、ごめんなさい。 」


「 はあぁ、まあ過ぎたことだ。もう気にしてない。それに陸は昔から人が苦手だったよな、仕方がないことだし、もういいよ。 」


     よっ良かったああああ!めっちゃ怖かった。圧がすごかったぞ。てゆうか、夏木くん、俺が人苦手なの気づいてたんだ。


「 あっありがとう! 」


     俺は笑顔でそう言う。


「 陸ー。お前一体何したんだー?夏木を怒らせるなんてよ、正座してさ、っで?何があったの? 」


「 優志、実はかくかくしかじか……。 」


「 なるほどな。確かに見捨てたお前が悪い。でもまあ、気持ちは分かるぜ、あんな人数いたら逃げたくもなるよな。 」


「 うぅぅ……。ほんとにごめん。 」


「 もういいよ。そういえば、優志のクラスでは、遠足どうなった? 」


「 お前たちのクラスと決めるってよ。てゆうか、仲良くなるため、新しいクラスに慣れるために遠足をするって小学生みたいだなー。でも、楽しそうだろうなー。 」


「 遠足楽しみだなー。 」


     入学早々、俺たちは遠足に行くことになった。なんでも、新しいクラスに慣れるために、隣のクラスと共同で遠足に行く。

     遠足に行く場所は毎年同じの、


「 なぁー陸ー、遠足で行く場所ってどこだっけー? 」


「 動物園だよ。 」


「 どっ動物園だってぇ!?!?!?!? 」


「 うるさい……。何急に、耳元で叫ばないでよ。動物園がどうしたの? 」


     夏木くんが驚いたような声をあげる。


「 知らないのー?陸、夏木はねー……。 」


「 優志!! 」


     ??????。あっ……そういえば夏木くんは動物苦手だったっけ、原作でもちょっと軽く触れただけだから、普通は見逃すところだけど、フッ、俺でなきゃ見逃しちゃうね。


「 ああ!!そういえば!! 夏木くんは動物がにっ……むぐっ! 」


     とっ言いかけたところ夏木くんが口を塞ぐ。


「 おい、言ってなかったよな?なんで知ってるんだよ。知っててもいいけど、あんま大きい声で言うなっ! 」


     夏木くんは小声で、でも迫力のある声で言った。


「 むぐぐ……ぷはっ 」


     俺は首を縦に振り、やっと解放された。そういえば夏木くんは完璧を求められているから、欠点や弱点は隠しているんだっけ?確か両親にバレないようにとか、気軽に言ったら、いつどこで誰が聞いているか、分からないから俺が言いかけた時に焦っていたんだな。一体バレたらどうなるんだろう。


「 ごめんごめん、なんとなく見てたらわかるよ。なぁ、優志。 」


     本当は夏木くんは動物が苦手なことを誰にも言っていないけれど俺と優志は気づいていた。俺は原作を知っているから知っていたけれど、優志は何も知らないが、わかるほど夏木くんは隠すのが下手だ。


「 うんうん、夏木は隠すのが下手だからなー。 」


「 そうだったのか。今度から気をつけよう。あとちなみにこのことは三人だけの秘密な! 」


「 わかったよ。誰にも言わないよ。 」


「 三人だけの秘密なんて嬉しいなー。 」


     さて、動物園の話だが、これは原作で、風太達が行っていた場所で間違いないだろう。あまり大きくはない動物園だが、色んな動物がいる。どの攻略対象とまわるかでなんの動物を見るか変わってくる。夏木くんは風太より年上だから、夏木くんがどの動物を見ているのかは分からなかった。お昼はお弁当で、近くにある特に何も無い草原が広がっている公園で食べるこの時もどの攻略対象と食べるかの選択肢が出てくる。ゲームでは二人だけで食べていたが、きっと俺は三人で食べるだろう、友達とワイワイお弁当食べるの夢だったんだー。


「 皆さん、班に別れてそれぞれ役を決めてください。 」


「 それじゃあまたねー。 」


     優志だけは出席番号が後ろなので別の班

     話し合いの結果、夏木くんは班長、俺は救急係になった。俺あんまし怪我とかに詳しくないんだけどなあ。


「 救急係かぁ、何をすればいいんだろう。 」


「 似合ってるぜ救急係、副班長でも良かったけどな。 」


「 副班長ほど何をすればいいのか分からない役はないよ。俺はめんどくさいことはくないんだ。夏木くんも班長ピッタリだよ。夏木くん以外に適役はいないんじゃないかな。 」


「 そうかぁ?嬉しいな、よし!頑張るぞ! 」


「 ちゃんと親御さんにプリントを渡してくださいね。 」


「「「 はーい 」」」


     家にて


「 お母さん、遠足のプリントを貰ったよ。 」


「 へぇー、遠足か、お弁当がいるんだね。 」


「 お兄ちゃん遠足に行くの?いいなー。 」


「 風ちゃんも俺と同じ学園に通うようになったら行けるよ。 」


「 それってどれくらい待てばいいの? 」


「 うーん、あと三年くらい待てば通えるかな。 」


「 えー、三年も待たなくちゃいけないの?長いよー。 」


「 あはは、思ったよりあっという間にすぎるから今のうちに楽しんだ方がいいよ。 」


「 そうなの?わかった! 」


     あ"ー、風ちゃん可愛い。





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