ライトに照らされた佳夢の肌は、ミルクのように滑らかだった。
「私が嫌だと言ったらどうするの?」彼女は抵抗した。
理は指先で彼女の鎖骨を押さえつけた。
「お前に選択権があるとでも思ってるのか?」
「随分と飢えてるのね」佳夢は嘲笑った。「それとも女に困ってるの?」
「困ってなんかいない。ただお前を踏みにじりたいんだ」
理は猛然と立ち上がり、彼女の体を抱えるとベッドに放り投げた。
ネクタイを引きちぎり、ベルトを外し、彼女に覆いかぶさる。
「佳夢」耳元で囁いた。「お前はただの俺の欲求を解消するための道具だ……わかったか?」
朝、彼女がこの青いドレスを着た瞬間から、理の頭にはそれを脱がせることしかなかった。ようやく夜になって、その願いが叶った。
佳夢の細い腰と長い脚は美しく、彼は全てを独占したかった。
「立川輝もこんな風にお前に迫りたかったんだろ?」彼女の首を締めながら、自分を見つめさせた。「残念だな、奴は想像するしかできないが、俺は行動に移せる」
「もう……言わないで」
「そう言われると余計に興奮するんだが?」
屈辱、占有、弄ぶような行為……理は彼女を翻弄し、夜中過ぎまで止めなかった。
その後、彼は煙草に火をつけた。
佳夢はよろめきながら浴室に向かう。一歩踏み出すごとに足元がふらつき、切断された指の付け根が激しく疼いた。
理は彼女の背中をじっと見つめていた。
なぜこの女は……想像以上に甘美なんだ?クソ……どうやら俺はもう抜け出せないらしい。
彼女の切断された指を思い出すと、またイライラが込み上げてきた。
煙草を消すと、薬箱を引っかき回して軟膏を探し始めた。
佳夢が湯あがりに出てくると、彼はすぐに彼女をベッドに押し倒した。
「どうしたの?」彼女が問う。「まだ足りないの?言ってくれればよかったのに。シャワーを浴びる手間が省ける」
「黙れ!」理はベッドの端に座ると、乱暴に軟膏の蓋を開け、彼女の切断面に塗り始めた。
軟膏は冷たかったが、傷口に触れると鋭い痛みが走った。
彼女は理の真剣な横顔を見つめた。男は集中している時が一番カッコいいと言うが……理はいつだって完璧だった。力強い輪郭、深い眼差し。今は上衣を脱ぎ、鍛え上げられた筋肉が見られる。
見つめているうちに、佳夢の目に涙が浮かんだ。
「あの時、山頂で……私の手に細長いトゲが刺さって、自分では抜けなくて泣いてばかりいたの」佳夢は震える声で言った。「理、あなたは今と同じように真剣にトゲを抜いてくれた」
「最初は私を笑ってたわ。『そんな小さな傷で泣くなんて甘えん坊だ』って。でも私が泣き続けるのを見て、あなたも慌てたの。慰めてくれて、変な顔までして笑わせてくれた……」
理の手が止まった。
「なぜそれを知っている?」鋭い眼差しで問い詰めた。「誰から聞いた?」
佳夢は笑った。「江藤雨澄が教えてくれたの。これで満足?」
あれは彼と彼女だけの美しい思い出だったのに、江藤雨澄に奪われ、手柄まで横取りされた。
理は冷たい声で言った。「雨澄は心優しい。誰にでも親切だ。彼女がお前にそんな話をしたのも当然だ。二度と口にするな!」
「ええ、もう言わない。絶対に」
佳夢は横を向き、枕で涙を拭う。
もう言わない……かつて心に刻んだあの少年は、とうとう失ってしまったのだ。
目を閉じて眠ろうとした時、ドアを叩く音がした。長谷川の声が響く。
「社長!奥様!大変です!」