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第26話 魔法剣の覚醒


 ルミナスの小野田さんがロングソードを構えて近づく。

 増田さんが風魔法を準備し、海野さんのダガーが鈍色に光る。

 保守派のシルバー級パーティーとして、ルミナスは頼れる味方だ。

 サキのブルーファングも合流していた。

 後は、みんなで力を合わせて叩くだけ……しかし、そう簡単にはいかない。


「リオン、ミリア、さっきはいいデータが取れた。クリスタル・オーガのハンマーの隙を突くぞ。マギテックのレア素材の証拠も近いかもしれない」

「小野田さん、ありがとう! スターライトとルミナスで、今日こそ勝つよ! 視聴者のみんな、ガンガン応援してね!」

『スターライト&ルミナス、激アツリベンジ!』

『マギテックの闇、暴いてくれ!』


 巨大な結晶の体とミスリウムのハンマーが再び現れる。

 ゴブリン・ウォリアーも数匹、硬い木の棍棒を手に待ち構える。


「ミリアちゃん、ファイアボルトでゴブリン・ウォリアーを! 小野田さん、ルミナスでハンマーを止めて!」

「了解、リオン! ルミナス、フォーメーションB!」


 小野田さんがロングソードでハンマーを受け止め、ミリアがファイアボルトでゴブリン・ウォリアーを焼き払う。

 僕がショートソードでオーガに斬りかかるが、結晶の硬さに弾かれる。

 マナミが火炎瓶を投げ、火の手がゴブリンを包む。


「お兄ちゃん、火炎瓶やり! ポーション準備OK!」


 サキのアダマンタイト製の青い軽鎧とレッド・メタルのダガーが輝く。

 トオルさんとルナさんが雷と氷の魔法を準備。


「リオン、ピンチ? ブルーファング、参戦するよ!」

「サキさん、ナイスタイミング! みんなで倒そう!」


 サキのダガーが結晶に切り込み、トオルさんの雷魔法がオーガを痺れさせる。

 ルナさんの氷魔法が結晶を凍らせ、動きを鈍らせる。

 ミリアが突然、剣を高く掲げ、魔力を集中させる。


「リオンさん、兄の技、見ててください!」


 ミリアのミスリウム・ソードが赤く光り、ファイアボルトの炎が剣に纏わりつく。

 魔法剣だ!

 彼女が突進し、炎を纏った剣でクリスタル・オーガの胸を斬り裂く。

 結晶が砕け、オーガが咆哮を上げて膝をつく。


『ミリアちゃん、魔法剣キター!』

『めっちゃカッコいい!』

『スターライト、強すぎ!』

「ミリアちゃん、すっごい! それ、魔法剣!?」

「はい、リオンさん! 兄の技、初めて使えました! 練習はしてるんですけど、まだ未完成で」


 僕がハンドガンを抜き、魔鉄弾をオーガの頭に撃ち込む。

 バンッ!

 小野田さんのロングソードがトドメを刺し、クリスタル・オーガが倒れる。

 戦利品の魔石と結晶の破片をマナミが回収。

 視聴者数が一万七千人に急上昇し、スパチャが殺到。


『スターライト&ブルーファング、共闘やばい!』

『ミリアちゃんの魔法剣、最高!』


 ダンジョン村のギルド亭で休息。サキがミリアに笑顔を向ける。


「ミリアちゃん、魔法剣、めっちゃカッコよかった! 斎木さんの妹、ほんとすごいね」

「サキさん、ありがとう……兄の技、もっと磨きたいです」


 サキが真剣な顔で続ける。


「リオン、ミリア、マギテックの契約、怪しい動きがあるんだ。クリスタル・オーガの魔石を高値で買い取る話、ブルーファングにも来た。なんか裏がありそうで……」

「サキさん、それ、絶対怪しいよ! 斎木さんが追ってたレア素材の証拠だ。ブルーファングも一緒に調べて!」

「うん、リオン。ブルーファングはマギテック側から情報を引き続き探るよ。ミリアちゃんの兄貴の想い、ちゃんと受け止めたから」

『サキちゃん、共闘確定!』

『スターライト&ブルーファング、絆やばい!』

「サキさん、兄の名誉、守りたいです。一緒に戦ってくれて、嬉しい……」


 ミリアが静かに呟く。マナミが串焼きを頬張りながら叫ぶ。


「お兄ちゃん、ミリアちゃん、サキさん、みんなでマギテックの闇暴こう! ポーターとして、ガンガン応援するよ!」


 僕はカメラに向かって宣言する。


「みんな、スターライト、ルミナス、ブルーファング、力を合わせて斎木さんの想いを継ぐよ! ミリアちゃんの魔法剣、めっちゃカッコよかったよね! マギテックの闇、絶対に暴いてみせる!」


 トカゲ丼を食べながら、僕たちは新たな決意を固めた。

 ミリアの魔法剣は斎木さんの信念の光。サキとの絆も深まり、真相はもうすぐそこだ!


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