「いずみ、不感症って、病気じゃないのよ。
旦那が下手くそなんじゃないのかな、、?」
「そうかも、そうだったらいい、、あ、病気じゃないの? 本当に?」
「いずみ、正直に言うのよ、あなた、結婚して、まだ1年になってないよね。夜のほうはどうだったの?
不感症って思うという事は、あまり、してないんだ?」
「ううん、、土日は、しない、いないから、浮気してたでしょ、彼。
でも、それ以外の日、私が生理じゃない日は、毎日だったけど、」
「そうなの? 毎日? すごいタフガイだね。
それで、いずみは何にも良くないの、、?」
「うん、いいとか、わかんないわ。」
「困ったものね、、。」
「私、時間が長くて、いつも、早く終わって、早く終わってって祈ってるのよ、、、。
私、朝、早起きして、株の注文入れておきたいし、朝食の準備もあるでしょう、早く寝たいのよ。」
「そうなんだ、旦那は、一応は、努力してたんだね。
つまり、心が伴わないと感じないのよ、ね、」
驚いたのは、理恵は最後の「ね」を、素敵なバーテンダーさんに向けて言った。すると、
「そうですね、男も女も同じです。
好きな人、愛している人とだったら、たとえば、手が触れただけでも、ジーンと感じますからね。
でも、お客様のご主人は、かなり、タフで好き者です。 おいくつですか?」
「あ、はい、私は24で、主人は31です。」
「うーん、僕より上ですね、、毎晩は、僕も出来ないなぁ、
すごいなぁ、きっと、ご主人は、奥様を愛しているんじゃないかな、、
で、ないと、そうそう、出来ないですよ、、奥様、美人ですからね」
私は、バーテンダーさんの低音でゆっくりとした話し方にも、うっとりして、美人と言われて、お世辞と知りつつ、嬉しかった。
「まあ、美人だなんて、、ありがとうございます。
愛してなんかいないと思います。
愛していたら、まだ結婚して半年なのに、浮気なんて、しないはずですから。
いつも、いずみの体は最高とか言って、嘘ばっかりです。
私、不感症って、病気じゃないって知って、安心しました。 」
(つづく)