なんだか損をしたような感じもして。
私は、用心深いとこもあったから、大学時代は、沢山のボーイフレンドはいたけど、最後までいったのは、2人だけ。
佐々木さんは、日本的な美人で、和服が似合うだろうなぁと思うイメージの人だけれど、趣味は、車とスキーと聞いて、外見だけでは判らないものだなぁと。
佐々木さんは、学生時代から付き合っている人と、ずっと同棲していると話してくれ。
私は、つい、
「それじゃあ、佐々木さんは、その、同棲している人だけ、、あ、あの、、あのですね、その人だけと、、ですね、、」
佐々木さんは、プゥーッとまた吹き出して、
「杉下さんて、正直ね。
そうよ、私は、彼だけ、彼以外は、知らないの。
だから、マエハシカエデさんみたい人は、あまり、好きになれないの。
だってね、今の地位も、本社の人事の人に色仕掛けで得たみたいよ。
結婚してるとか全然関係ないから、陰で泣いてる奥さんは、何人もいるらしいわ。
女王様気質っていうのかな、男を狂わせてしまうみたいよ。
未遂で終わったけど、別れたくないって、死のうとした人もいるんだって。
どんな手を使うのかしらね。
私には、さっぱりよ。スキーしたり、車走らせてた方が楽しいもの。
杉下さんは、胸も大きい感じだから、誘われるでしょう?」
いいえ、全然です。私は目立たないから。
ふーん、それにしても、マエハシカエデは、悪女だな。
もしかして、女王様って、ムチなんか持ってるのかな、、それに、人事部の誰? 色仕掛けにハマッタヤツは誰?
私は、ぜーんぶ、お祖母ちゃんに報告して。
ついでに、つい、つい、口が滑って。
「マエハシカエデさんは、羨ましいな。
沢山の男の人と出来て、私なんて、たった3人だけなんだから。」
お祖母ちゃんは、全く、憮然として、
「尚!! 馬鹿な事、言わないで!!
私の孫なのよ!!
常に頭におきなさい!
だらしない女にはならない!
わかった?! 」
私は、しまった!!と思った時には、アトノマツリで。
はい、ごめんなさい、でも、ほんとなんだもの、
私、今は、いないんだもの、、と、心の中で、呟いていた。
マエハシカエデ、あなたは、魔女か?
男を狂わす魔女か? 使い古した雑巾に見えるけど、、男の目は違うのかな。
(つづく)