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第46話  ナルシスト No.22ー14

 なんだか損をしたような感じもして。

私は、用心深いとこもあったから、大学時代は、沢山のボーイフレンドはいたけど、最後までいったのは、2人だけ。


佐々木さんは、日本的な美人で、和服が似合うだろうなぁと思うイメージの人だけれど、趣味は、車とスキーと聞いて、外見だけでは判らないものだなぁと。

佐々木さんは、学生時代から付き合っている人と、ずっと同棲していると話してくれ。

私は、つい、


「それじゃあ、佐々木さんは、その、同棲している人だけ、、あ、あの、、あのですね、その人だけと、、ですね、、」


佐々木さんは、プゥーッとまた吹き出して、


「杉下さんて、正直ね。

そうよ、私は、彼だけ、彼以外は、知らないの。

だから、マエハシカエデさんみたい人は、あまり、好きになれないの。

だってね、今の地位も、本社の人事の人に色仕掛けで得たみたいよ。

結婚してるとか全然関係ないから、陰で泣いてる奥さんは、何人もいるらしいわ。

女王様気質っていうのかな、男を狂わせてしまうみたいよ。

未遂で終わったけど、別れたくないって、死のうとした人もいるんだって。


どんな手を使うのかしらね。

私には、さっぱりよ。スキーしたり、車走らせてた方が楽しいもの。


杉下さんは、胸も大きい感じだから、誘われるでしょう?」



いいえ、全然です。私は目立たないから。

ふーん、それにしても、マエハシカエデは、悪女だな。

もしかして、女王様って、ムチなんか持ってるのかな、、それに、人事部の誰? 色仕掛けにハマッタヤツは誰?



私は、ぜーんぶ、お祖母ちゃんに報告して。

ついでに、つい、つい、口が滑って。


「マエハシカエデさんは、羨ましいな。

沢山の男の人と出来て、私なんて、たった3人だけなんだから。」



お祖母ちゃんは、全く、憮然として、


「尚!! 馬鹿な事、言わないで!!

私の孫なのよ!!

常に頭におきなさい!

だらしない女にはならない!

わかった?! 」


私は、しまった!!と思った時には、アトノマツリで。

はい、ごめんなさい、でも、ほんとなんだもの、

私、今は、いないんだもの、、と、心の中で、呟いていた。


マエハシカエデ、あなたは、魔女か?

男を狂わす魔女か? 使い古した雑巾に見えるけど、、男の目は違うのかな。





       (つづく)

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