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第45話  ナルシスト No.22ー13




実地研修、私達はユニフォームを渡され、男女共に、着用しなければならないようだった。

男子は濃紺のスーツにブルーのいかにも安っぽいタイ、それでも女子に比べたらマシ。

女子のユニフォームは、ダサい極みだったから、みんな、第一声は、いやだー!だった。

グリーンの、それも、超田舎くさいグリーンで、キュロットスーツ、ダブダブの。

私は、泣き出したくなった。



佐々木さんの話では、マエハシカエデの考えは、添乗員は黒子にならなければならない、お客様を引き立てなければならない、だから、敢えて、ダサくしたらしい。


 ついでに、派遣会社の方の女子社員には美人はいない、マエハシカエデが、自分を目立たさせる為には、ブスを揃えたとか。

男性社員は、営業専門で3人いるが、3人ともに、マエハシカエデのお手付きとか。



何だろ、一体?

しかし、私は、添乗員の資格を取らなければならないようで、仕方なく、実地研修の日は、そのダブダブのユニフォームを着て、集合場所になっている、札幌駅の北口に立った。



マエハシカエデは、余りに若作りが過ぎると感じた。

それは、その日、同じバスに乗る研修メンバーの女性が皆、口を揃えた。

ツケマツゲはないよねー!

ミニタイトのピチピチのスーツはないわ!

バスの中では、真ん中の席、通路側に座り、きれいなんだか、長いと自負しているのか、脚を組み。

それ、ちょっとないわ!

あれ、ちょっと、間違うと見えちゃうんじゃない?



佐々木さんから聞いた、噂か真実かの話では、ツアーに、後学の為とか、研修生の採点の為とかの口実で同行する時って、必ず、お目当てがあるとか。


年下でも、年上でも、後腐れないと見た男性と、一夜を共にするとか。



本当かな?


私は、ツアーのお客さまを一人一人、観察して、、ピンと来なかった。

みんな、真面目で、野太くて、真剣な雰囲気だったから。



マエハシカエデは、野性的な男性が好みみたい、見た目がイケメンとかじゃないみたい。

ベッドの中が第一みたいよ。



それって、どうやって解るのだろう。


佐々木さんから、お茶しながら、その話を聞いて、すると、すると、マエハシカエデさんは、一体、何人の男性を知ってるのだろうかと。

少し、羨ましくもなった。

私は、初めての人から、マサルまで、3人だけだから。






       (つづく)


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