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第44話  ナルシスト No.22ー12

 何かに必死に頑張るとか、一心不乱にやってみるとか、そのような経験は、ない。

何となく、いつも、平均的であればいいなぁぐらいの思いだった。

札幌のお祖母ちゃんの所に来てから、調子が変わった。

お祖母ちゃんに、ハメラレタのかな。


マエハシカエデ支店長について、積極的に、聞きまくっていた。

始めてみると、結構、面白かった。



マエハシカエデは、評判が悪い。

仕事は出来るみたいだけれど、女子社員は、顔を背ける。

男グセが悪いようで。

私は、なんとなく、使い古した雑巾みたいだと感じて。

それを、つい、本当に、つい、札幌支店の面倒見の良い佐々木さんに、言ってしまい。


交通費と住宅手当の申請をするのでと、佐々木さんに、研修後に支店に顔を出してと言われた時の事。

17時を過ぎていたせいか、佐々木さんの周りには女子社員がいなかった。


佐々木さんは、プゥーッと吹き出し、


「まあ!! 杉下さんて、面白いわ!

それ、みんなの前では言わないのよ。 ね、もう、帰るのよね、、お茶しない?」



で、私は、3年先輩になる佐々木さんに、いろいろ、ウソか真実か、単なる噂か、

マエハシカエデ支店長に関しての、びっくりする話を聞いてしまい。


そりゃあ、もし、事実だったとしたら、正義感の強い、不思議お祖母ちゃんだったら、

怒り心頭になるだろうと考えてしまい。




実地研修のツアーには、心して、参加した。


男性限定、御一人様限定だったので、ちょっと、ウキウキしたけれど、それは、北海道の過疎地への、独身男性の移住を希望している人の為のツアーで。

参加してきた人達は、今まで、私が接してきた事の無いタイプの人ばかりだった。


素朴とか、野太いとかのイメージのタイプ。





       (つづく)

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