何かに必死に頑張るとか、一心不乱にやってみるとか、そのような経験は、ない。
何となく、いつも、平均的であればいいなぁぐらいの思いだった。
札幌のお祖母ちゃんの所に来てから、調子が変わった。
お祖母ちゃんに、ハメラレタのかな。
マエハシカエデ支店長について、積極的に、聞きまくっていた。
始めてみると、結構、面白かった。
マエハシカエデは、評判が悪い。
仕事は出来るみたいだけれど、女子社員は、顔を背ける。
男グセが悪いようで。
私は、なんとなく、使い古した雑巾みたいだと感じて。
それを、つい、本当に、つい、札幌支店の面倒見の良い佐々木さんに、言ってしまい。
交通費と住宅手当の申請をするのでと、佐々木さんに、研修後に支店に顔を出してと言われた時の事。
17時を過ぎていたせいか、佐々木さんの周りには女子社員がいなかった。
佐々木さんは、プゥーッと吹き出し、
「まあ!! 杉下さんて、面白いわ!
それ、みんなの前では言わないのよ。 ね、もう、帰るのよね、、お茶しない?」
で、私は、3年先輩になる佐々木さんに、いろいろ、ウソか真実か、単なる噂か、
マエハシカエデ支店長に関しての、びっくりする話を聞いてしまい。
そりゃあ、もし、事実だったとしたら、正義感の強い、不思議お祖母ちゃんだったら、
怒り心頭になるだろうと考えてしまい。
実地研修のツアーには、心して、参加した。
男性限定、御一人様限定だったので、ちょっと、ウキウキしたけれど、それは、北海道の過疎地への、独身男性の移住を希望している人の為のツアーで。
参加してきた人達は、今まで、私が接してきた事の無いタイプの人ばかりだった。
素朴とか、野太いとかのイメージのタイプ。
(つづく)